マーケティング4Pの「Price」を考える『良い値決め 悪い値決め』

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・マーケティング4Pのひとつ「Price」って難しくない?

と思いますよね。

正直私は思っていました。

マーケティング4Pの中でも、「product」や「promotion」に関する書籍や、考え方は沢山あるけれども、「Price」についてはいまひとつ核心をつくものが探せていませんでした。

自社サービスの値付けも明確な理論のもとはできておらず、「価格設定に関する考え方を知りたい」と思っておりました。

そんな中見つけた『良い値決め 悪い値決め』という本。

まさに、「価格設定の理論」を得るのにとても適した良本でした。

マーケティング4Pの「Price」を考える『良い値決め 悪い値決め』

顧客満足も高め、利益も高める「バリュープライシング」

売価ー利益=コスト

「顧客はどれくらいの値段なら買ってくれるか?」
顧客の支払い能力、心理・感情をベースに価格を設定することがセオリーです。

例えば、「iphone」や「スタバ」は 同じカテゴリの競合製品よりも高いですよね。
まさに「価値」をベースに値付けをした結果です。

モノ作りの考え方から離れた考え方をすることが大事になってきます。

モノ作りの考え方に固執すると、コストカットして利益を生もうと考えがち。

売価-コスト=利益

この考え方ですよね。
そして、値付けというと上記のイメージが主軸です。

自分のかけたコストを出発にして、それに利益を乗せて値決めをするのがコストプライシング。

値決めの主人公を自分(自社の原価)ではなく、顧客に置き、売価から出発するのがバリュープライシング。

顧客がどれだけ満足してくれるかがポイントです。

価格設定3つの値決めゾーン

①コスト回収価格ゾーン
②ライバル価格ゾーン
③満足高価格ゾーン

多くの会社は

①コスト回収価格ゾーン
②ライバル価格ゾーン

にとどまっているといいます。

コストが回収できて、ライバルよりも少し安い価格に設定しがちですよね。
これは結構やってしまいがちです。

競合を見ながら、なんとなくの市場価格を意識しながら設定する。

しかし、この考えを持ち続けると「値下げ競争」に巻き込まれてしまいます。

目指すべきは③満足高価格ゾーンです。

では、そこに行き着くための方法を見ていきたいと思います。

バリュープライシングのためのポイント:複数の儲けを組み合わせる

単品のプライシングから複数の組み合わせを売る3つのプライシング

①ジレットプライシング
②フリープライシング
③O2Oプライシング

①ジレットプライシング

1個の儲けの「薄いもの」と「厚いもの」を長期的に組み合わせる方法です。

マクドナルドのセット販売も同じような考え方。

顧客からすると、単品で買うよりセットで買った方がお得です。

一方、店側からみると、1個の「儲けが薄い」ハンバーガーに、「1個の儲けが厚い」フライドポテトとジュースを組み合わせて儲けを積み上げます。

「ジレット」とは大手剃刀メーカーのことです。

はじめに剃刀本体を安く販売し、替え刃を「長期的に何回も」買って貰うことで儲けを担保してきました。

「長期的に何回も売る」ことがポイントになります。

電動歯ブラシの本体と、スペアブラシの考え方やキヤノンの本体(コピー機)と補充品(トナー/カートリッジ)も同じ考え方を使っています。

②フリープライシング

「儲けの無い」フリー(無料)部分と「儲けが厚い」部分を組み合わせる方法です。

ジレットの

「安い(おとり製品)」+「1個の儲けが厚い製品」から

「無料(おとり製品)」+「1個の儲けが厚い製品」へと進化をした考え方です。

無料のパワーを活用した考え方になります。

よくある5個買うと1個無料にあんるというキャンペーン。

実は、1つを20%オフにするよりも儲かります。

例えば、700円で仕入れて1000円で売っているチョコレート。

20%オフでは値下げした分だけ1個の儲けが減ります。

この場合、1個について200円の儲けが減るので、5個分で1000円の儲けが消失することになります。

1個無料であれば、仕入れ700円分のみの消失で済むという理屈。

そして「無料」のメッセージをつかう方が、数字的・心理的にも効果的ですよね。

・初回無料
・送迎無料
・2ヶ月会費無料
・事務手数料無料
・家族間通話無料

などなど。

どこを無料にするか?にポイントがあります。

たとえば「家族間通話無料」。

そもそも家族間でそんなに電話しないですよね?

消費者は、実際にほとんど意味の無い家族間通話無料にも心は動かされています。

③O2Oプライシング

オンラインとオフラインの組み合わせる考え方です。

音楽業界で言うサブスク+ライブの組み合わせのイメージ。

デジタル環境により、アルバムが全く売れなくなってしまったいま、リアルの場=コンサートの価値があがっています。

楽曲収入+コンサート収入+グッズ収入とかけあわせで収益を上げていきます。

デジタル空間の儲けは薄く、リアル空間の儲けは厚いことが多いです。
そこを上手く組み合わせるイメージ。

ネットショップのリアル店舗もイメージ近いですね。

リアルの現場では、「楽しさ」や「体験価値」が大事になってきます。

まとめ

売価ー利益=コスト

顧客が主役の値付け、「バリュープライシング」を価格設定の理論として使って行きたいと思っています。

顧客は、「価値」にコストを支払うからです。

ドリルを買うのでは無く、「ドリルの穴」を買う
傘を買うのでは無く、「雨に濡れないこと」を買う

提供しようとしている商品・サービスは、顧客にどのような「価値」を提供しているのか?をしっかり言語かすることが大事ですね。

『良い値付け 悪い値付け』はマーケティング4P「Price」の良い教科書です。

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