村上春樹の新作『街とその不確かな壁』ってどうなんだろう?
という方に向けた記事になっています。
【結論】
街とその不確かな壁は、久しぶりの村上春樹にぴったり
魅力①:村上春樹の世界観が味わえる
魅力②:ずっと読み続けていたい文章
魅力③:続きを考えたくなる読後感
私自身、村上春樹が好きで全ての作品を5回以上は再読しています。
新作『街とその不確かな壁』を読み、村上春樹にハマっていった体験を追体験しました。
『壁とその不確かな街』は、久しぶりの村上春樹にぴったり
久しぶりに村上春樹を読んでみようかな。
と思っている人に、新作『壁とその不確かな街』はぴったりです。
静かで不思議で心地よい、村上春樹らしさが溢れる作品と言えます。
そもそも、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の元となった作品で、初期の村上春樹の魅力が詰まっています。
下記、この作品の魅力を3つ紹介します。
魅力①村上春樹の世界観が味わえる
私が好きな村上春樹の世界観は、「日常と非日常が融合された不思議な世界」です。
物語の中で、現実と異空間がリンクしてきます。
その境目を生きる、主人公は執着に乏しく、どこか超然としていて
どのような理不尽も淡々と乗り越えていきます。
その姿に、憧れのようなものを抱きました。
村上春樹の作品を読むと、日常の些細なことにあたふたしないようにしようといつも思います笑
今回の新作『街とその不確かな壁』の舞台も現実と異空間がリンクしていきます。
ああ、村上春樹ってこんな感じだった。
と読み進めると実感することが出来て、村上春樹にのめり込んでいった過去を追体験しました。
そして時折現れる、ものすごく「こわい」描写。
こわいけど、先を読み進めたくなる感覚。
あらためて素晴らしい情景描写だと、少し感動しながら読みました。
魅力②ずっと読み続けていたい文章
村上春樹の魅力は、文章そのものにあると思っています。
もの凄く読みやすく、どんな複雑な描写でも、自然と読み進められます。
※文章の推敲にもの凄い情熱と時間をかけている、という話しを読み納得しました。
なにより読んでいて疲れません。
「文章を読む」という行為は能動的な行為です。
でも「村上春樹の文章」を読む行為は、受動的に感じることがあります。
こちらが頑張らなくても、入ってくる。
それは、リズムではないかと思っています。
話しを聞くようなリズム、音楽を聴くようなリズム
新作『街とその不確かな壁』を読んでいるときも、リズムを感じました。
なので、もの凄く疲れて、文章を読む気が起きないときでも、村上春樹の文章は読めます。
むしろ疲れたときにこそ読みたくなります。
今回、読み進めていた時期が仕事の繁忙期と重なって、心身ともに疲れを感じていたのですがこの小説を読む時間が「癒やしの時間」でした。
魅力③続きを考えたくなる読後感
村上春樹の物語は、読んだ後もあれこれ自分の頭で考える機会を与えてくれます。
世界の終わりとハードボイルドの終わりについては、初めて読んだときから15年以上もたっているのに、未だに考えるときがあります。
そして時間の流れで考えも微妙に変化する。
1Q84のBook2まで出たときも、そうでした。
※結果Book3で完結
物語は、美しく完結すれば読後はすっきりとしますが、心に残っている物語は必ずしも美しく完結していません。
こんな続きかな?こんな終わりかな?
と自分でその先を考える機会がある物語が個人的には好きで、
この新作『街とその不確かな壁』も、最後の文章からの続きをめちやくちゃ考えてます笑
物語が終わっても、物語を楽しめる
という体験を味わえます。
まとめ
村上春樹の新作『街とその不確かな壁』は、久しぶりの村上春樹にぴったりです。
村上春樹の初期の魅力が凝縮された作品だからです。
魅力①:村上春樹の世界観が味わえる
魅力②:ずっと読み続けていたい文章
魅力③:続きを考えたくなる読後感
私は、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を読み、村上春樹にはまっていった経験を追体験しました。
逆に、「はじめての村上春樹」は別の作品をおすすめします。
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村上春樹の作品を読んでいる時間は、日常に潤いをもたらせてくれます。
そして、一度作品を読むと数珠つなぎで違う作品を読みたくなります。
私は読んだ後、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』をもう一度読み始めました笑
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