「キーエンス」という企業をご存じでしょうか?
言わずと知れた高収益企業で、時価総額が日本のトップ5に入る企業です。
従業員の給料が高いことでも有名で、私自身10年以上前になりますが、就職活動をしているときからその名は知っておりました。
キーエンスは、BtoB向けの電子機器のメーカーで、ファクトリーオートメーションなど、主に向上の生産性向上に役立つ価値を提供しています。
まさに、黒子的役割で、表に出ることは多くは無いですが超優良企業です。
■時価が日本トップ5に入る
14兆4782億円(2022年11月時点)
※ちなみに1位はトヨタの33兆1648億円
■平均給与が高い
約2183万円(2022年11月時点)
■高収益企業
売上営業利益率55.4%
※製造業平均5.2%
(2022年11月時点)
なぜ、そのような圧倒的な結果を出し続けられるのか?
その内容とポイントを下記見ていきたいと思います。
参考書籍
『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
キーエンスに学ぶマーケティングの本質
付加価値の考え方:モノだけでなくコトを提供している
マーケティングをあらわす言葉で、
「顧客はドリルを欲しがっているのではない、ドリルの穴を欲しがっているのだ」
という言葉がありますが、まさに実践している企業がキーエンスです。
付加価値である「コト」を提供するためには、ターゲットのニーズ把握が絶対です。
キーエンスには、ニーズをくみ取り、商品にして、提供をする仕組みがあります。
営業:行動の見える化とニーズのくみ取り
営業部隊は、真のニーズをくみ取ることを意識していると言います。
それは、代理店を挟まない、直販のスタイルを取っている強みに繋がります。
例えばタブレットが欲しいと言われたら、なぜタブレットが必要なのか?を掘り下げる
すると、外出さきでも迅速な情報を得られることというニーズにたどり着き
なぜ外出先で情報を確認する必要があるのか?
と、さらなるテーマにもつながります。
そして、そのニーズを解決するために自社の製品を提案します。
提案するのは、モノではなくコト(=価値)です。
もし、ニーズを解決出来る商品がなければ、そのニーズをニーズカードというツールに蓄積し、社内の企画チームに渡します。
そして、企画チームはそのニーズを解決できる製品を開発します。
まさに、本当の意味でのマーケットインだと思います。
また、一つのテーマに終わらせず、
「他に困っている人はいませんか?」
と必ず聞くらしいです。
その質問が、新しいテーマを作り続ける要因となっています。
企画:ニーズをベースに常識を疑う
営業を中心に、現場から抽出されたニーズを元に新商品を考えていきます。
そのときに、商品をいう手段ではなく、価値を提供するという考えがベースにあるからこそ革新的な商品が出来るのだと思います。
キーエンスの商品は7割以上が「世界 / 業界初」だと言います。
だからこそ、粗利8割という高収益のビジネスが成り立ちます。
キーエンスの事例を見ると、相手の真ニーズを大切にする、マーケティングの基本に忠実になることが、高収益企業への近道であるということがわかります。
見える化 / 言語化
「できる営業」
「うまくいくパターン」
というのは、個人の暗黙知になることが多く、なかなか見える化できません。
キーエンスは、その暗黙知を見える化して、組織とにインストールします。
営業の活動をデータベースでしっかり記録し、分析をします。
・決裁者と直接話せると受注確立が上がる
・このようなデモの見せ方をすると商談が前に進む
などなど、成功パターンをモデル化していきます。
その上で、営業ロールプレイを行いそのモデルをひとりひとりにインストールしていきます。
「属人化せず、仕組み化」
これが、高収益を生み出す企業の特徴でした。
まとめ
基本的なことをあたりまえに。
まさにキーエンスは、
「付加価値を提供する」
というマインドが仕組みとして、実行できている。
この本を読み、自分が明日からできること
・自分の仕事の基本とはなにか?をもう一度見直す
・基本を忠実に実行できるための方法を見える化する
・日々実行して、結果を振り返る
『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』はマーケティングの基本を学ぶ教科書としても有効です。
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