ズラタン・イブラヒモビッチ
・ACミラン/ユベントス/インテル/バルセロナなどで活躍したサッカー界のスーパースター
・スウェーデン代表
・195cmと長身ながら、抜群のテクニックも持つ
・右左頭はもちろん、アクロバットなゴールも奪う
・ストレートすぎる語録も度々話題にあがる
イブラヒモビッチが、現役を引退。
41歳。
2000年代、当時中高生でサッカー部だった自分は、海外サッカーにのめりこんだ。
今みたいにYoutubeのサッカー動画も充実していなかった当時、親に頼んでスカパーも期間限定ではあるが契約してもらった。
当時はセリエAが全盛で、とくにユベントスが大好きだった。
デルピエロ・ネドベド・ザンブロッタ・ブッフォン、そんな中ひときわデカいのに、足下のテクニックが超絶的にうまい選手が移籍してきた。
それが、当時まだ20代前半のイブラヒモビッチだった。
アクロバットなゴールや、エラシコを巧みに使ったドリブル。
長身でフィジカルがあるのに、足下が上手い。
理想的な、センターフォワードだと思い夢中になった。
あれから20年弱。
海外サッカーの熱も、当時ほどではなくなった。
そんな時にイブラヒモビッチが引退する。
というニュースが飛び込んできた。
ACミランというビッククラブで。
あたりまえだけれどサッカー選手は年齢と共に身体能力はさがってくる。
往年の大スターといえど、晩年は地元のクラブに戻ったり、試合にはあまり出ずクラブの象徴的な役割を担ったりする。
気になって、最近のイブラヒモビッチのプレーを動画で見てみると、めちゃくちゃ上手いしキレている。
クラブと成績の遍歴をみてみても
・マルメ 出場:40(得点:16)
・アヤックス 74(35)
・ユベントス 70(23)
・インテル 88(57)
・バルセロナ 29(16)
・ACミラン 61(42)
・パリSG 122(113)
・マンチェスター・ユナイテッド 33(17)
・LAギャラクシー 58(53)
・ACミラン 64(34)
ほとんど全てがビッククラブで、化け物のような成績も残している。
ゴール数は多いが、プレースタイルは泥臭く、結果が全てな選手
ゴール数は少ないが、プレースタイルは美しく、見ていて楽しい選手
双方を両立することはなかなか難しいながら、イブラヒモビッチはまさに双方を両立したパーフェクトなFWだと思う。
そんなイブラヒモビッチが、28歳の時に書いた自伝を読んでみた。
・2000年代を彩った選手、監督との逸話
・移籍の裏側
・破天荒すぎるエピソード
・コメント
おもしろすぎて、ページをめくる手がとまらなかった。
イブラヒモビッチ自伝
インスピレーションを大事にする
イブラヒモビッチは、ここぞという場面で信じられないほど美しいゴールを決める。
・敗退がかかった試合
・スカウトが見に来ている試合
・大一番
ただのゴールではなく、人々の印象に残るゴールを決める。
当時の描写が鮮明。
ボールが来る前から、ゴールのイメージが頭の中に浮かぶという。
なのでそのイメージを辿るだけで、ゴールに到達する。
ただそのインスピレーションは良いときだけでなく、悪い試合でも残るという。
2~3日は、ミスしたシーン、後悔したシーンが頭の中にグルグルと巡りたまらないという
そんなときは刺激を求めて、「車でぶっ飛ばしたり」「爆竹で遊んだり」していたらしい。
豪快であり繊細。
そのインスピレーションが、イブラヒモビッチの屋台骨だったのではと思う。
良いときはもちろん、悪いときの内省検討が、さらに動きに磨きをかけていたのではないかと思う。
サッカー選手になっていなかったら
・サッカー選手になっていなかったら、そうだな犯罪者になっていたかもしれない
・うれしすぎて自転車泥棒をしまくりそうだったぜ
・高級ワインの飲み方がわからず、ミルクのようにゴクゴクと飲んでいた。
こんなセリフが次々とでてくる笑
検索すると語録がたくさんでてくるけれど、この飾らずストレートすぎる物言いが、人々を夢中にさせるのではないかと思う。
文章からも、正直さがにじみ出ている。
表も裏も無い。
「好き」と「嫌い」をはっきり認識していて、それを周りにも伝える。
・聞くが、聞かない
この言葉も深い。
監督や周りの忠告に耳を貸して、聞くが、最後は「自分で」判断する
自分で判断するには、「自分の軸」をしっかりと認識していないといけない。
「自分の軸」を認識するためには、周りの評価や声ではなく自分自身と向き合う必要がある、。
サッカーという1試合ごとに、すさまじい評価に晒される中で、ブレないのは脅威の精神力だと思う。
イブラヒモビッチは、欧州中のビッククラブを渡り歩く。
上手くいっているときにも、移籍する。
移籍も、自分から動く。
常に、自分自身と深く対話しているからこそ行動につながる。
やられたらやりかえす
やられたことは忘れない、復讐するまで
このセリフも強烈で有言実行。
ラフプレーも目立ったイブラヒモビッチだったが、
自分からはやらない
という信念が合った。
ラフプレーを受けたら、10倍くらいで返す。
そしてレッドカードを貰う。
YouTubeでは、イブラヒモビッチのラフプレー集もみられる。
確かに、最初にやられたら、やりかえしている。
ラフプレーは決して褒められる行為ではない。
ただ、あまりのダイナミックさに笑ってしまう、、、、。
そして、やられたらやり返すのマインドはサッカーだけではない。
最初10代でアヤックスに移籍したとき、若く無知だったことも影響して不利な契約を結ばれた。
そのことを根に持ち、絶対にフリにならないように、契約条件を細かく自分でチェックするようになったという。
スーパースターにもなると、代理人任せのイメージがあったが、反骨心はそんなところにも作用する。
その知識が、移籍のゲームをも楽しむ姿勢につながったのだと思う。
まとめ
この本を読んで、さらにイブラヒモビッチのファンになった。
スター選手達や監督達との逸話。
伝説の試合、ゴールシーンの回想。
ずっと観てきた、欧州サッカーシーンの裏側を覗いている感覚が楽しい。
なにより、嘘無く正直に語る言葉は、強く、ときにおもしろい。
この本とYouTubeでプレイ集(ラフプレイも笑)を見るとさらに味わい深い読書体験ができます。
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