はじめての商品企画:具体的な進め方

Marketing
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はじめて商品企画をするときの道しるべとなる具体的STEPを書きたいと思います。

「新商品を出したいけれど、アイデアが下りてこない」
「自分も商品企画をやりたいけれど、特別な人にしかできないのでは」
「商品企画を行う部門に配属された」

このような悩みを解決する記事になっています。

「ひらめき」や「アイデア」が重要で、特別な人にしか商品の企画は出来ないのでは?
と思われている方もいるかもしれません。

しかし、実は適切なSTEPを踏めば誰でも商品企画は出来ます。

私自身、メーカーにてマーケティング畑を歩んできました。

自社商品に関するアイデアは毎日と言ってもいいほど出し続けてきました。

うまくいくもの、いかないものを分析する中で、
ヒットの打率を上げる型を見出し、ブラッシュアップを続け
結果、商品企画を再現性高く行うことが出来るようになりました。

その経験と知識を活かして、中小企業診断士として、現在月に5~10件くらいの商品企画のテーマを
ご支援させて頂いております。
年間で触れる商品のアイデアは100以上です。

商品企画のテーマはPJやワークショップで行うことが多いのですが、
メンバーは商品企画の部署の方だけとは限りません。

実際に、商品企画以外の部署の方が素晴らしいアイデアを出し、商品化され
ヒットした事例もいくつも見ています。

「守破離」という言葉もあるように、
まずは型通りを意識することからはじめてみるのは、いかがでしょうか。

商品企画とはなにか?

商品企画の目的とは、「売れる商品」を企画することにあります。
では、「売れる商品」とはなにか?

下記の2つのポイントがあります。

①生活者から求められている

②独自性がある

①生活者から求められている
生活者から求められない限りは、売れることはありません。

では生活者は、何を求めるのでしょうか?
それは、具体的に自分の困りごとを解決してくれることと、自分が思い描く理想を実現することをサポートしてくれることです。

生活者の求める商品をつくるためには、
「困りごと」と「理想」を普段から考えることが重要となります。

私は、「困りごと or 理想ハント」と題して、一日に3つのノルマを自分に課しています。

街中で、周辺をウォッチしながら、あの人はどんな状況だろうか?どんなことに困っていそうか?などを考えていきます。

例えば、、、
・コンビニコーヒーを持ちながら歩いている、本当は飲みながら歩きたいのでは?
 前にこぼした経験があるのかな?

・あの人は、片方だけ手袋を外してスマホを操作している、本当は手袋したままで行いたいのでは?

などです。

「困りごとor理想ハント」をしていると、「観察力」が着いてきます。

「観察力」こそが、商品企画においてもっとも重要なスキルと言っても過言ではありません。

②独自性がある

生活者の困りごとや、理想の実現をサポートしてくれるモノが複数あった場合、選択の理由
となるのが、「商品が持つ独自の魅力」です。

独自性をつくるための要素は、「個人的な思い」「企業の強み」です。

「個人的な思い」とは、
実現したいこと、つくりたいもの、など個人に起因します。

その思いが強ければ強いほど、商品は他にはない魅力を醸し出していきます。

今世界中で愛されているディズニーランドや、世界の人々の生活になくてはならないモノとなっているiphoneも、はじまりは「個人」の強い思いです。

おすすめしているのは、就職活動のときに抱いていた仕事の夢、入社時の志望動機を思い出すことです。

普段の仕事が忙しくなってくると、忘れがちになってしまいますが、
商品企画の際にもう一度思い出すことによって、
強い思いが湧き上がってくることがあります。

「生活者の求められているものをつくる」
「プロダクトアウトからマーケットインへ」

といった言葉が定説となり久しいですが、ヒットしている商品には必ず担当者の思いが
こもっています。

「企業の強み」とは、2つの要素があります。

1つは「他社が真似できないこと」
もう1つは「自社が得意なこと」です。

「他社が真似できないこと」とは、
特許など権利で守られている資産と
門外不出のノウハウなど外から見えない資産のことです。

「自社が得意とすること」とは、
長年蓄積してきたこと、世間的に評価を得ていることなど、
資産自体は模倣可能かもしれませんが、
付加価値があり、しっかりと差別化できていることです。

商品企画の進め方:5つのSTEP

売れる商品の2つの要素
①生活者に求められている ②独自性がある
を、下記5つのSTEPにわけて、進行していきます。

STEP1:個人的な思いを確認する

STEP2:生活者は何を求めているのかを知る

STEP3:自社の強みの確認

STEP4:提供価値を定義する

STEP5:具体的なモノ/サービスを考える

STEP1:個人的な思いを確認する

まず自分は、「どのような商品をつくりたいか?」を考えます。

この段階では、リサーチなどはしなくてOKです。

できるだけ多くの「自分の思い」を書き出します。

商品までいきつかなくても、

「どのような世の中にしたいか?」
「何で、世間を驚かせたいか?」

など、自発的な「自分の思い」が出てくるであろう“問い“を目の前において、考えていきます。

プロジェクトで協働して商品開発を行う場合、このステップをはじめに行いますがかなり盛り上がります。

参加者同士で改めて、人となりを理解することが出来た!
という声も聞こえてきました。

仕事に対する願望がそのまま直接現れるので、PJに参加するモチベーションがグッとあがりますので
はじめのステップに組み入れることをおすすめします。

その際に「思いのシート」というフォーマットを活用すると、効率的です。

思いのシート

STEP2:生活者はなにを求めているのかを知る

次に、生活者の「困りごと」と「理想」を抽出していきます。

調査会社に依頼をして、リサーチを行うことも効果的ですが、
私自身が最も効果的であると感じることは、

「ターゲットにしたい身近な人にヒアリングする」

ということです。 

ヒアリングの内容としては、

生活の上で「困っていること」
実現したいと思っている「理想の生活」

を中心に聞いていきます。

その際、本当のインタビュー形式で行うと
聞かれる方も身構えてしまいます。

なるべく、普段通りの会話を意識しながら、ニーズを聞き出していく
ことがポイントになります。

調査でペルソナ像をつくることがありますが、あくまで仮想です。

身近な人をターゲットにすえることで、実存する人をイメージして企画を進めるコトが出来る
メリットがあります。

ヒアリングから抽出した内容を、そのままニーズとして捉えるのではなく、
「なぜだろう?」と自分なりに深掘り、
ターゲットのニーズ仮説を出していきます。

経験上、同じ社員同士で聞くのではなく、できれば家族や友人といった
仕事とは関係のない方にインタビューすることをおすすめします。

あらためて会話を持つ機会にもなりますので、
ワークショップの一環とはいえ、身近な方々とのコミュニケーション活性化の一助にもなっています。

ヒアリングシートを参考までに貼っておきます。

STEP3自社の強みの確認

自社の強みを確認します。

棚卸しする資産は、「社内」にあるか、「社外」にあるかという視点と
「既存」か「新規」かという視点で整理します。

「社内」か「社外」か?

社内は言わずもかなですが、社外とは何か?
それは、ネットっワークのことです。

協力会社や外部スタッフなどが当てはまります。

社内だけでなく、ネットワーク全体から資産を棚卸しすることで、
もれなく強みを抽出することができます。

「既存」か「新規」か?

今すぐ使える資産か否か?を考えます。

今はまだ使えなくても「新規に調達する」という視点を加えると
グッと視野が広がっていきます。

そして、抽出した資産を前述の「他社に真似できない」
「自社が得意なこと」の2つのポイントで整理をしていきます。

どちらかに当てはまれば、それは「強み」です。

STEP4提供価値を設定する

STEP1:「個人の思い」
STEP2:「生活者のニーズ」
STEP3:「自社の強み」
を掛け合わせて、「誰に」「何を」を提供するのかを言語します。

顧客は、この価値に対してお金を払います。

例:
・ビジネスパーソンに、第三の場所=スタバ
・忙しい主婦に、掃除以外の時間=ルンバ

など、その商品を使った先の状態やメリットが具体的にイメージできる言葉で
価値を言い表すことがポイントになります。

STEP5:具体的なモノ・サービスを考える

STEP4で定義した提供価値を、どのように具体的に届けるか?を考えます。

モノで届けるのか?サービスで届けるのか?
どちらも掛け合わせて届けるのか?

その際、ネーミング/概要/パッケージ(モノの場合)/デザインイメージ
を併せて考えて、より具体化をしていきます。

今までの要素を重ね合わせるツールとして「アイデアシート」を活用します。

まとめ

■商品企画は誰でも、1人からでも出来る

■商品企画とは、売れる商品をつくること

■売れる商品とは2つのポイントがある
①生活者に求められている
②独自性がある

■商品開発には5つのSTEPがある
-STEP1:個人的な思いを確認する
-STEP2:生活者は何を求めているのかを知る
-STEP3:自社の強みの確認
-STEP4:提供価値を定義する
-STEP5:具体的なモノ/サービスを考える

以上、今回ご共有させて頂いた、商品企画の進め方は、マーケティング部員や商品企画部員だけが
行うのではなく、ビジネスマンすべての人が商品について考えるべきだと考えております。

イノベーティブな商品企画の一助になれば嬉しいです。

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