本日は、「自分の思い」をしっかりともって仕事にとりくむための方法を
書きたいと思います。
「自分がやりたいことがよくわからない」
「仕事でも今一つ自発的になれない」
「いつも頼まれたことに返すのが精いっぱいで自分のことを考えられない」
といった悩みをもつ方も多いのではないのでしょうか?
特に、会社に入り、真面目に働いていればいるほど、任される仕事も多くなり
「自分は何がしたかったんだっけ?」
と振り返る機会を持つことが少なくなってきます。
この記事では、
「仕事において、自分の思いをしっかりと持てるようになる」
「自分の思いを形にしていく」
ための具体的方法を記載します。
この記事を読み終わった後から実践できることを目指します。
なぜ「自分の思い」が大切なのか?
イノベーティブな商品サービスを生み出す可能性が上がるからです。
事実、イノベーションは個人の強い思いからはじまることが多いです。
amazonやAppleなど、創業者の強烈な思いから事業はスタートしていきました。
また0→1だけでなく、与えられた仕事であっても「自分の思い」をもって工夫をすることで
大きな成果を上げることがあります。
「○○をしたい」
という自発的な気持ちは、モノごとを進めるうえでエンジンの役割をします。
「自分の思い」のつくり方
それでは、どのように「自分の思い」をつくっていくのか?
具体的に見ていきたいと思います。
時間を確保する
まず、自分の一日を振り返って見ます。
そして、「自分のための時間」か、それとも「他人からの依頼にこたえる時間」
なのを振り分けてみてください。
以外にも「自分のためにつかっている時間」が少ないことに気がつくと思います。
そこで朝の15分で良いので、自分のための時間をつくります。
スケジュール帳などに、あらかじめ予定しておきます。
※仕事がはじまる前に設定することをおススメしています。
朝ノート
自分のために時間を確保したら、ノートとペンを使い
頭のなかに浮かんだことを、どんどんと書き出していきます。
A6サイズのノートの見開き2ページを埋めるイメージで書きます。
このノートは誰にも見せるものではないので、文章のうまさは全く気にする必要ありません。
また内容も好きに書いて良いので、欲望に正直であったり、マイナスな言葉であったり、
気にせず書きます。
自分の中にある言葉を外に出していくイメージです。
「最近あった楽しいこと」
「最近あった嬉しいこと」
「率直に、今やりたいこと」
「最近、腹がたったこと」
「いま、不安に感じていること」
「モヤモヤとしていること」
などをきっかけに書き始めると、つぎつぎと
言葉が出てきます。
デジタルでも良いのでは?と思うかもしれませんが
手書きのほうが効果があります。
手書きは「考えるコト」と「感じるコト」を同時にできます。
キーボードでタイプするよりも、ゆっくりと頭を使えることも効果的です。
朝ノートをすると
・あたまがすっきりする
・自分の思いが明確になってくる
という、2つのメリットが得られます。
なんとなくモヤモヤしているときというのは、
悩みをぐるぐると頭の中でジャグリングしている状態を言います。
頭のなかのものを手書きにより外に出すことで、すっきりとした感覚になれます。
また書いていると、「意識して出した言葉」と「意識しなくても出てくる言葉」があります。
意識しなく手も出てくる言葉、そこに自分の思いが現れます。
思いのスケッチ
朝ノートを一ヶ月も続けていると、
だんだんと「自分の思い」をつくりやすくなります。
自分の思いをより明確にするために
「言葉」と「絵」を使います。
まず、自分の思いを文章で書きます。
そして、その思いを絵で表現します。
正直、絵を描くことに尻込みしてしまう人は多いです。
※私もそうでした。
それは、上手い絵を描こうとしてしまっているからではないでしょうか?
ここでの絵は、思いより鮮明にするために描きます。
上手い絵を描く必要はありません。
それでもやはり絵を描くとなると膨大な時間がかかってしまう。
という人には、イメージコラージュがオススメです。
イメージコラージュとは、キーワードを表現する画像を貼り付けることです。
今はインターネットで簡単に画像が検索できます。
思いをイメージするのに役立つ画像を探して貼ってみましょう。
「自分の思い」をかたちにするには?
「自分の思い」をかたちにするには、戦略の視点が重要です。
戦略と聞くと難しそうですが、
本質は、周りとの「差」をつくって、「つなげる」ことです。
・自分の思いはどのような差をだせるだろうか?
・自分の思いを届けたい人へとつなげていくには、どうすればいいのだろう?
といった視点でかんがえていきます。
「差」をつくる
自分の思いにおける、「市場」を選定します。
その市場の当たり前を書き出してみます。
どこで、売買がされているのか?
メインプレイヤーは誰(企業)か?
価値として認められていることはなにか?
などなど。
自分の「思い」がその当たり前との違いをどう出せるか?を考えます。
その違いこそが、「差」です。
伝えたい場所へとつなげる
「自分の思い」を伝えたい場所へと、どのようにつなげるのか?
ストーリーとして考えるという方法を使います。
ハリウッド映画の脚本にも使われる「英雄の旅」という著名な手法があります。
神話学者のジョゼフ・キャンベルが世界中の神話にみられる
共通のパターンを分析して、「英雄の旅」というフレームをつくりました。
英雄の旅のフレームを活用する
「主人公」
「試練」
「メンター」
という構成要素をめぐり、7ステップでストーリーが展開します。
この7つのステップをビジネスに応用すると、
思いをいかに伝えるか?という視点として活用できます。
「主人公」を思いを届けたい相手
「試練」を問題点
「メンター」を思いをもってうまれた商品やサービス
と考えます
①現実:思いを伝えたい相手(=ターゲット)の現状課題は何か?
②冒険への誘い:ターゲットはどのようなきっかけであらたな世界の存在を知るか
③迷いとメンターの支援:ターゲットは旅立ちを前にどのように感じ、メンター(商品やサービス)
が持つどのような力(=機能)によって、その世界に入ることを後押しされるか?
④一線を超える:ターゲットはどのような期待をもって、商品やサービスの世界に飛び込むか?
⑤試練:新たな世界のなかで、どのような試練(=問題点)と直面するか?
メンター(=商品。サービス)はどのようにターゲットを支援するか?
⑥克服と報酬:ターゲットはどのようにして試練(=問題)を克服し、それによりどのような宝物(ベネフィット)を得るか?
⑦宝を得て帰還:宝物(ベネフィット)を得たターゲットは、元の世界に住む人々にどのような声をかけるだろうか?
このフレームにのせて、「自分の思い」を「伝えたい場所」へとつなげていきます。
事例:思いのワークショップ
私が中小企業診断士として仕事をさせて頂く中で、
お客様のPJメンバーの方々とテーマに対する「自分の思い」を抽出するというSTEP
を必ず踏ませて頂いております。
商品開発、ブランディング、コミュニケーション戦略策定、研修
など、テーマ内容は多岐にわたりますが、
このSTEPは共通しております。
具体的には、
「思いのシート」というものを用意して、言葉と絵で見える化をします。
それをPJメンバーで話し合い、それぞれの「思い」を
なぜそう思うに至ったのか?
その思いを実現したら、どうなるか?
という視点で深く掘り下げていきます。
メンバー間の共通項や異なる点を見える化することで
全体としての認識を合わせながら、
無理にひとつに絞ることはせず、「個人の思い」を大切にしながら
テーマを進行していきます。
思いのワークショップ:具体的STEP
①テーマに対する思いの確認
-「思いのシート」への記入
②思いのディスカッション
- 各自「思いのシート」をベースにディスカッション
③チームメンバーの思いを見える化
-レイヤーにわけるなど、整理
-違いがあっても良い、無理に統合しようとしない
参考になる本
直観と論理をつなぐ思考法 佐宗邦威著
この本で「ビジョン思考」という考えを提唱されています。
右脳的な直観とと左脳的な論理。
その双方から「やりたいこと」をビジネスにするための方法が記された本です。
組織でも個人でもどちらでも活用することが出来ます。
[カイゼン思考][戦略思考][デザイン思考][ビジョン思考]の整理が非常にわかりやすいです。
カイゼン思考:PDCAによる効率化を目指す 計画→実行→検証→改善
戦略思考:論理に基づき勝利を追い求める 目標設定→資産棚卸→選択集中→検証
デザイン思考:創造的問題解決 課題設定→共感→発想→プロトタイプ
ビジョン思考:妄想を駆動力にして創造する 妄想→知覚→組み換え→表現
まとめ
「人のため」におこなうことが仕事の本質だと思います。
だからこそ、「自分の思い」をもっていなければ、とても空虚なものとなってしまい。
空虚な成果物は誰も求めておりません。
「○○したい」
という自分の中から出る思いをもって仕事をすることが、成果にも充実感にもつながっていくと思います。
仕事に対して、「自分の思い」を持てていないな。
少しでもそのように感じたら、
まずは、A6サイズのノートを買って、ペンで手書きをすることからはじめてみてください。
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