仕事をしている中で、デジタルマーケティングという言葉を聞くことが多くなりました。
そのなかで、
「デジタルマーケティングとはなに?」
「大事なことはわかるけれど、なにから行えばいいかわからない」
「言葉は知っているけれど、今一つイメージがつかない」
など。
必要なことはわかるけど、具体的にどうすればわからない。
と感じるかたも多いのではないでしょうか?
またデジタルマーケティング=企業相手のビジネス(BtoB)の認識を抱く傾向があります。
私自身、食品やお菓子や日用品など、
生活者を対象としたカテゴリ(BtoC)のマーケティングのお手伝いをすることが多くあります。
流通や小売りとのルートが大きすぎて、
また生活者の購買行動もお店で買うことが大半ということもあり、
使う必要性を感じないという方もいらっしゃるイメージです。
事実、デジタルマーケティングはBtoBマーケティングを前提に話が進むことが
おおいです。
しかし、もちろんBtoCにおいてもデジタルマーケティングは、利益向上の可能性を
上げる武器になります。
この記事は、BtoCに携わる方々の視点にも立って話をすすめさせて頂ければと思います。
この記事では、以下のようなことを解決します
「デジタルマーケティングとはなにか?全体感がわかる」
「デジタルマーケティングがなぜ重要かがわかる」
「読了後、具体的な一歩を踏み出せる」
デジタルマーケティングとはなにか?
デジタルマーケティングとは、
マーケティング活動の一部をデジタル化しながら、お客さんとの接点を再構築していくことです。
デジタルは、既存のマーケティングの機能を代替する手段のひとつです。
例えば、
TVCMを中心としたマス広告は幅広い潜在顧客にリーチすることができますが、
当然コストは高くつきます。
デジタルはTVほどリーチすることはできませんが、説得力のあるコンテンツを用意することで
顧客を説得できます。
人間の営業担当は、契約を取るために必要不可欠とされてきましたが、
デジタルは人間の営業担当ほど丁寧な対応は出来ないけれども、
人間よりも多数のユーザーに自動で対応できる。
デジタルに代替することのメリットはコストパフォーマンスの良さにあります。
マーケティングとデジタルマーケティング
デジタルマーケティングは、マーケティングの手段の一つです。
独立した概念ではありません。
デジタルを手段として活用するには、「できるコト」と「できないコト」を
しっかりと認識することが大切です。
デジタルマーケティングができるコト
・コストをかけずに大量の情報を発信できる
=サーバーの費用のみで情報発信できる強みはデジタル固有のものです
・ストックの効果がある
=フロー手段が、やり続けなければ集客が止まってしまうのに対して
ストック手段は、一度作ればその後も半永久的に集客ができます。
・大量なリアルタイムデータが取得できる
=簡単に言えば、アンケート調査の時間とコストのカットです。
簡易に効果検証が出来るので、PDCAの速度があがります。
デジタルマーケティングができないコト
・人間同士のコミュニケーションのような密なやりとりはできない
=生活者は自分の好きなもの以外、一切みない
・爆発的な伸長は期待できない
=マスではなく、ターゲットをしっかりと絞る必要がある
・生活者の顔が見えない
=双方向のコミュニケーションが取れない中で、説得をする必要がある
・データを集めただけでは、何もわからない
=データを集める前に、使い道を考えないといけない
デジタルマーケティングは、
マーケティング活動と同様に、「顧客」が第一です。
※
マーケティング活動=「誰に→何を→どのように」を考え実行すること
デジタルマーケティングを理解するうえでは、
BtoBとBtoCの違いを認識することが重要です
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
購買の目的
BtoBの購買の目的はビジネスの成功
BtoCの購買の目的は生活の潤いです
購買の目的が異なるので、当然購買に至るプロセスも異なります。
このプロセスのことを、カスタマージャーニーマップとよびます。
BtoBの場合
代表的な一例を記載します。
購買に至るプロセス
・課題の決定
「売上を上げたい」「コストを下げたい」「納期を短縮したい」など、漠然としたものから
具体的なものまで、課題からスタートをします。
・解決方法の決定
課題解決のタスクを振り分けられた担当者は、解決方法を探します。
インターネット前と後で大きく変わったのは、ここの行動です。
前はパートナー企業の営業担当に相談するなど、人を介して情報を入手することが多かったと思いますが、
現在は、ウェブで検索をする場合がほとんどではないでしょうか
・検証
ウェブで検証をすると、複数の解決策が出てきます。
そのなかから自社に合う、もっとも最適な解決策を選んでいきます。
「早く出来るのはどれか?」
「安く済むのはどれか?」など、多くの情報が必要となります。
・同意
解決策を決めるには、上司などの承認が必要となってきます。
金額が大きければ大きいほど、論理的で明確な説明が必要になってきます。
・購買
承認が得られたら、購買の手続きに入ります。
自部門がそのまま購買するというケースよりも、購買部門など、
ここでも関係者が増えることがポイントです。
BtoCの場合
代表的なプロセスが複数あります。
個人としては、パーセプションフローモデルというプロセスが
最も使い勝手が良く感じます。
AIDMA
最も代表的なモデルです
注意→関心→欲求→記憶→購買
特に短期的な購買行動をしめすことが多いです。
AISAS
インターネット登場後に出てきた購買プロセスです。
注意→関心→検索→購買→情報共有
「欲求」「記憶」の代わりに、「検索」「情報共有」のプロセスが入っています。
パーセプションフローモデル
パーセプションフロー・モデルは、Coup Marketing Companyの音部大輔氏によって考案された
マーケティング・マネジメントのモデルです。
一連の購買行動プロセスを
「自然な認識変化の流れ(パーセプションフロー)」として描きます。
・現状
・認知
・興味
・購入
・使用
・満足
・再購入
・口コミ
各フローにおいて、どのような認識/近くの変化を起こし、行動を推進するか?
といった視点で考えるので、目的とやるべきことが明確です。
また購入で終わっておらず、再購入までプロセスに入っているので、
長期的に顧客との関係性をつくるという視点が持てます。
購買関与者の数
BtoCは自分の物を買うので1人である場合が多いですが、
BtoBの場合は、原則として複数人が購買のための意思決定をします。
検討期間
BtoCの場合は不動産や車などの高額商品を除き、意思決定は瞬間~1、2週間程度でなされるのが
一般的です。
BtoBの場合は、数カ月、もしくは年単位の検討期間が必要になることが普通にあります。
情報の非対称性
BtoCの場合、レビュー記事やポータルサイトなど事前に情報を集めることが可能です。
BtoBの場合はレビューのサイトなどがほぼ存在しない状況で、購入前の情報が非常に少ない中で
意思決定する必要があります。
顧客の数
BtoCに比べて、BtoCは顧客が少ないことが多いです。
マックのハンバーガーは1秒間に75個も売れているそうですが、BtoBの場合は月に75個ましくは年に75個売れれば
十分に売れていると言える可能性が少なくありません。
デジタルマーケティングとは、購買に至るプロセスの中で
デジタルに代替できるところを代替し、効果を上げることにあります。
ターゲットを絞り、情報の非対称性が大きく、長期にわたり購買までをサポートする必要がある。
営業活動という、比較的明確な活動をデジタル化することにより、効果が出やすい。
といった理由から、デジタルマーケティング=BtoBマーケティングのイメージが
多く持たれている要因かと思います。
ではBtoCにデジタルマーケティングは必要ないのか?と問われたら、
そんなことはないと思います。
デジタルマーケを駆使して利益向上に成功している企業は沢山います
事例:BtoCデジタルマーケティング
では実際の事例をみてみたいと思います。
Kraft Cheese Racipe
食材 レシピのジャンル カテゴリー 調理時間 シーンシチュエーション 季節イベント
などの条件を入れると、適したチーズのレシピが出てきます。
具体的にどの商品が適しているかも表示されるので、購買後の使用イメージがしやすいです。
商品をそのまま訴求するのではなく、商品をどのように使うのか?シーンを訴求する。
情報を多く載せられるデジタルならではの強みだと感じました。
GreenSpoon
流通を通さず直接的に顧客と結び付く、D2Cとよばれる業種です。
定額制のパーソナルスープです。
自分オリジナルのスープが毎月届きます。
導入のページから、アンケートに答えていくだけで、
自分オリジナルのスープを200種情の素材から調合してくれます。
個人をターゲットにして、カスタムしていく仕組みは
デジタルならではの強みです。
自分のライフスタイルにあった商品を使用できるので、
長く使っていきたくなります。
素材にこだわるブランドの世界観も実感することができます。
BtoC視点、デジタルマーケティング最初の一歩
まずは、顧客は誰か?を明確にすることです。
購買に至るプロセスを見える化して、
どのような要素が、プロセスを先に進めるのか?立ち止まらせるのか?を見極めます。
そして、既存のプロセスごとの打ち手を洗い出します。
デジタルに代替できるものはなにか?
できるコト、できないコトと照らし合わせながら考えていきます。
親和性が高そうなデジタルの打ち手を下記記載します。
・現状:コミュニティサイトなどで現状を把握する
・認知:SNS上でのターゲティング広告
・興味:コンテンツを活用した
・購入:ECで買える仕組み
・使用
・満足
・再購入:サブスクリプションモデル
・口コミ:SNSやコミュニティサイトなどで
3つのポイント
「顧客から考える」
「購買に至るプロセスで、デジタル代替できることを探す」
「デジタルのできることと照らし合わせる」
※デジタルのできること
・コストをかけずに大量の情報を発信できる
・ストックの効果がある
・大量なリアルタイムデータが取得できる
本質は、BtoBとBtoCもかわりません。
マーケティング活動のひとつの手段として、デジタルを活用する。
この考えを持つことが、大切です。
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