新規事業はバックキャストでつくる:参考になる考え方ご紹介

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こんにちはみなもとです。

私は、中小企業診断士として活動をしながら
企業にも勤めております。

マーケティング系の部署に所属をしているのですが、
「新規事業」を考えるというテーマに対峙する機会が多いです。

その中で、こんな悩みを抱えることになりました

・新規事業ってどう考えれば良いの?
・参考になる考え方ってある?
・でも結局ものにならないのでは……

テーマを進行しながらも、インプットをして、壁にぶつかり
いろんなひとの話を参考にしながら進めて、ある程度の結果が出ました。

効果があると感じた内容をこの記事で整理をしていければと思います。

【この記事の内容】
・新規事業はバックキャストで考える
・新規事業立案に使えるフレーム集
・計画倒れに終わらせない、「染み出し」の考え方

新規事業はバックキャストで考える

バックキャストは、未来から逆算をして考える思考法です。
(⇔フォアキャスト:現在からの積み上げで考える)

なにも手がかりの無い状態で着手しようとすると、
未来予測などの情報収集からはじめてしまうことが多いと思います。

しかし、いくら情報を収集しても、読み込んでも、ヒントを得ることは
難しいです。

何のために情報を取得しているのか?が曖昧にだからです。

今までは、どちらかというと与えられた問題に対して解決をしていく仕事だったと思います。
新規事業は、問題そのものをつくる仕事です。

具体的なSTEPについては

STEP①:なりたい姿について考える

自分たちは、これからさきの未来どのようにビジネスをしていくたいのか?
自分たちが、今後世の中に提供していく価値は何か?
●●年、自分たちはどういう状態になっていたいのか?

まずは自分たちの中から出てくる思いを見える化します。

目指す先を設定するところから、新規事業のアイデアがはじまります。

STEP②:現在の状況を再認識する

自分たちがおかれている現状を改めて認識します。
現在地点をしっかりと把握します。

STEP③:その間にある問題を認識する

あるべき姿が定まり、現在時点も明確になると
その間にある問題点が見えてきます。

その問題点を解決した先が新規事業であり、問題点を解決していく作業は
新規事業で具体的に行うことでもあります。

STEP④:解決していくべき課題を設定する

問題点は、たくさんでてくると思います。
それを端から一個一個つぶしていっては、時間も資産も足りません。

優先順位をつえて、解決していく順番を決めることで、課題設定をしていきます。

新規事業のつくり方:使えるフレーム集

新規のビジネスモデルを創るときに参考になる 

ゼロからつくるビジネスモデル

新規事業のビジネスモデルをどうつくっていくか?
を多彩な事例とともに紹介してくれています。

プロセスとしておおきく4つのSTEPで説明をしてくれます

「分析」
「発想」
「試作」
「検証」

ポイントは、抽象的な概念と、具体的なアイデアを行き来する思考です。

抽象:「分析」「検証」
具体:「発想」「試作」

各事例も、抽象と具体で整理されてあります。
ここにベンチマークの本質があります。

例えば、革新的な商品サービスが現れたとき、
そのままアイデアを自分の業界に転用しても、あまり効果はありません。
※「具体の横滑り」と説明されています

一度アイデアを抽象概念まで昇華させた上で、自分の業界に具体化したら
どうなるだろう?と考えることが重要です。

多彩に事例があるので、ヒントがたくさんあります。

・ヤヌスフレーム

過去を遡り、傾向を図り、今後を予測する方法です。

分析のフェーズで、使いやすいと感じたフレームはヤヌスフレームです。
様々な場面で使われています。

ポイントは未来の予測から考えるのではなく、
過去からの流れから推測するという点です。

未来のことは誰もわからないし、いくら優秀な方でも
正確に予測することは不可能です。
※コロナも誰も予測出来ませんでした

しかし、過去は明らかであり、仮説を出すには
事実をベースに思考を積み上げていくのが効果的です。

直観と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

新規事業を描くには、市場の予測など外部環境だけでは不十分で
自分たちが将来どうなっていたいか?というビジョンが不可欠です。

しかし、ここがなかなか難しいところ

個人の問題意識が非常に大事

ビジョンを描くには、まず個人の問題意識が非常に重要です。

これは役職が上だからとか、新人だから必要ないとではなく
全員が持っていなければならないことです。

それを自覚するための方法

ビジョンを起点にアイデアを出そうというコンセプトで書かれたのが
「ビジョンドリブン」という本です。

そこで紹介されているのは、ビジョン思考という考え方です。

0→+
ビジョン思考「もし●●なら?」

-→0
イシュー思考「どうっすれば●●できる?」

ビジネスは、ビジョンとイシューを行き来して考える必要があります。

ビジョン思考の
具体的なSTEPとしては

・妄想
・知覚
・組み替え
・表現

です。

下記、具体的な方法をいくつか紹介します。

妄想力を高める方法
日々の習慣が妄想力を高めます。

・モーニングジャーナル
朝、ノートに自分の頭にの中にある考えを手書きで書いていく

・クエスション
子どもの頃の夢?
誰に憧れたか?
3年自由の時間があったら?
100億円もっていたら?

発想がひろがる、問いから発想していきます

知覚を高める方法
3つの方法で知覚力を高めていきます。

①感知:ありのままを観る
 そのままスケッチ(みたものを、そのままスケッチする)

②解釈:インプットを自分なりのフレームにまとめる
 絵で考え、絵で描き出す
 ビジョンスケッチ=妄想を1枚の絵にする

③意味づけ:まとめ上げた考えに意味づけ
 ムードボード=気になるモノを撮る
 出力をして何が気になっているか?見える化する
 
ポイントは「視覚」と「言語」を行き来するイメージです。

組み替えでものを考える方法

組み換えとは:分解+再構築のことです。

下記のような順番で考えていきます。

①あたり前を洗い出す
②あたり前の違和感を探る
③あたり前の逆を考える

表現力を高める方法

手を動かしながら考えることがポイントです。

箇条書きよりも、図やイラストを含めて書くイメージです。

ビジョンポスターという、「視覚」と「言語」を行き来する方法が有効です。

ビジョンポスター
ネーミング:ビジョンが持っている本質
コピー:ビジョンが伝わる短いフレーズ
キービジュアル:ビジョンのメタファーを含んだ視覚要素

新規事業を考えるだけで無く、プロセスにおいて
自分は何を大切に仕事をしていきたいか?

のヒントも見つかるので非常におすすめです。

リサーチ・ドリブン・イノベーション

リサーチと聞くと、調査分析のイメージを持っていましたが、
この本を読むとその考え方がいっぺんします。

リサーチではなく、リ・サーチ

探求のためのメソッドになります。

その探求の先に新規事業があるイメージです。

この本では、ダブルダイヤモンドという考え方が紹介されています。

「発散」と「収束」を繰り返して、アイデアを出していくプロセスです

発散①:方向性の探索
収束①:方向性の定義
発散②:アイデアの生成
収束②:アイデアの検証

それぞれのフェーズで

問いの設定→情報収集→情報解釈→合意

のプロセスで行っていきます。

特に大切なのが、問いの設定です。

そこの範囲設定が、新規事業の可能性を広げます。

計画倒れで終わらせない:染みだしの考え方

事業拡大の指針のために「アンゾフのマトリクス」という考え方があります。

商品の軸:既存と新規
顧客の軸:既存と新規

マトリクスをつくり、どう事業を拡大していくか?
を考えていきます。

新規事業のイメージは商品、顧客、どちらも「新規」である。

ただ、いきなり現状の事業と無関連な右上新領域に参入するのは
リスクがあります。

最終的に商品も顧客もどちらも新規を目指すにしても、そのためのSTEPがあります。

まずは、自社の商品をベースに新しい業界へとアプローチします。

新しい業界において、ニーズを精緻化し、解決すべき
サービスや商品をつくっていくといったイメージです。

現在の商品・サービスをベースに始めることで、活動のイメージもしやすいです。

計画は立ててみたけれど、途方もなさすぎて、なかなか着手できないというリスクをヘッジできます。

まとめ

・考え方を考えることからはじめる

新規事業を考えることは、非常に抽象的で曖昧なテーマになることが多いです。

だからこそ、どのような考え方をたどってゴールへと辿りつくのか、その道順をメンバーと共有することが大事です。

考え方を考えるステップからはじめるようにしています。
  
・ログをとっておく

新規事業のアイデアはタイミングによって、成否がわかれます。

そして、大量のディスカッションの中にヒントは隠れています。

だからこそ、発話のログ、会議の議事録は大切になります。

新しいところを目指すときこそ、基本的な要件が重要です。

・とにかくやってみる

成功のために必要なコトは「やる」ことです。

いくら良い考えだったとしても「実行」しなければ、成功しません。

失敗があたりまえの世界、活動量を増やし、実際に世に問いかける場が必要だと思います。

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