書評:『本質を見抜く考え方』

Book
記事内に広告が含まれています。

・本質的に物ごとを考えたい
・自分の頭で考えるって、大切なのはわかるけれど、どういうことだろう?

このようなこと考えたことありませんか?

私は、結構日常的に考えています、、、、笑

というのも、「自分の頭」「本質的」の重要性はわかっていながらも、ついつい流されがちで、考えが浅いなと自覚することが多々あるからです、、、。

ヒントを得ようと、思考系の本は色々読みました。

その中で、とくにおすすな本に出会いました。

『本質を見抜く考え方』
国際政治学者の著者が、本質を見抜くための考え方を53個紹介してくれています。

https://amzn.to/3S0H5VM

心にとめておくだけで、視点が変わります。

今回は、その中でもとくに意識したいとおもった考え方を共有します。

書評:『本質を見抜く考え方』

考え始める技術

まずは、どのようにモノゴトを考え始めれば良いのか?
なにより「自分の頭」で考えることが大事で、まず対象と素直に向き合うこと、目の前の現象を歪みの無い目で見ることからはじまります。

考え方の3つのセオリー

物事を考えはじめるときの3つの方法が紹介されています。

①動あれば反動あり
②慣性の法則
③鹿威し

①動あれば反動あり
1つの動きをしたときには、その反作用というべき反動として、逆の動きが必ず起こる。
物事を裏側からも眺めることが大事。

この考えを頭に入れておくだけで、ものの見方が複数持てます。

②慣性の法則

ある質量を持って動き出したら、その質量が大きかろうと小さかろうと、止まることがない。
動き出した物事を止めることはなかなか難しいというイメージです。

別の捉え方をすると、物事は進めるときに一番大きなエネルギーを必要とする。
一旦進んでしまえば、初動時に比べて小さな力でも、加速していく。

③鹿威し

鹿威しは、竹筒に少しづつ水を注ぎ入れ、水が溜まったときその重みで傾いて水がこぼれ、竹筒が元にもどるときに石を打って音が出るようにした装置です。

物事のある要素が、蓄積されていくと、あるとき大きな反動が起こる

といったイメージです。

少し古いですが、日本のバブル崩壊から失われた10年などがイメージしやすいですね。
この原理で、社会の様々な事象を観察すると、「反動」の予兆も察知しやすくなります。

答えより考え方

人は何より、「答え」に飛びつきたくなります。

しかし答えだけを早く知ろうとしても、考える力は身につきません。

問題に直面したら、答えっぽくみえる情報よりも、まずは考える材料を探して、自分の頭で考える習慣を身につけることが大事です。

そもそも、明確な「答え」がない場合がほとんどです。
ビジネスにおいても、そうですよね。

だからこそ、自分で出した答えと、そこにいたるプロセスが大事になってきます。

考えを深める技術

考えをどのように深めていけば良いのか?

4つの視点があると思います。

「過去の視点」歴史的にどうだったのか?
「自分自身の視点」自分にどのようなルーツがあるのか?
「類似の視点」客観的にモノゴトをみてみる
「対比の視点」逆説的にみてみる

どんな情報も歴史に還元する

何がどう変わったか?何がどう新しいか?を考えるより、「何が変わらないものなのか?」を考えること

一つの時代しか見ていないと、本質は見えてきません。
歴史は常に繰り返されるからこそ、歴史を学ぶことは大事です。

ある事象が起きたとき、そもそもこの事象はなぜ起きたのか?をずっと遡ってみる
歴史上で似たような事がなかったか?を調べてみる

ちなみに歴史の全体感を振り返ってみるときに、『サピエンス全史』『参考書』がおすすめです。

粘りと潔さ

相反する要素を併せ持っておくことは大事です。

「動反動の法則」にもありましたが、物事には必ず裏があります。

表と裏を認識することにより、「答えの無い問い」を楽しむ境地に行き着きます。

イギリス流外交の本質は、

「早く見つけ、遅く行動し、粘り強く主張し、潔く譲歩する」ことだと言います

情報はできるだけ早くキャッチして、検証に時間をかけて、あえて遅く行動する。

交渉するときも、徹底的に粘り強く交渉はするけれど、最後締結の勘書きはしっかりと持ち、そのときは潔く譲歩しなければならないということ。

頑なになることと潔くなること

この矛盾を併せ持つためにも、ふわふわと宙ぶらりんな状況を楽しむくらいのマインドが大事だと言います。

間違いを減らす技術

直感はとても大事で、直感がモノゴトを前に進める糸口になったりします。
が、直感に固執し続けることも危険で、考えに保険をかける意味でも「論理」が大切になります。

択一より共存

むずかかしい問題はつねに矛盾がふくまれます。

「物と心」
「進歩と伝統」
「個人と共同体」

こちらをたてれば、あちらが立たず、、、

といった状況が常におこります。

一方に傾きすぎると危険を招くこともある中では、「共存」を考えることが大事です。

歴史上の名君も、ある特定のものを排除せず、バランス感覚を大事にしていた気がします。
逆に国が乱れる反乱は、一方的に抑制された対象が反動を起こすような事象が多く散見されます。

自分の考え、スタンスは大事西ながらも、バランス感覚を持つ

という、ある意味矛盾する考えをどう共存させるか?

効率と精神のバランス

2つの相反するものを無理矢理統一せず、これは矛盾だなとわかりながらも両方を持ち続ける。
そのバランス感覚が大事です。

効率を追い求める視点と、精神的安定を目指す視点

両方とも大事です。

週休2日の意味も、ここにあります。

どうしても忙しいと土日も仕事をしてしまいがちです。
仕事をするだけなら、休みなく働き続けた方が効率的です。

でもそれでは、体はもちろん精神も崩れてしまいます、、、。

しっかり休む、心からリラックスするのも本当大切。

そのバランス感覚は、吉本の元会長大崎さんが書かれた『居場所』を読むとよくわかります。

世の中を考える技術

世の中を広く見ることは、モノゴトの本質を見抜くためにも大切なことです。
ただ、新聞やWEBの記事を読むだけだと情報が素通りしていきます。
しっかり「自分の頭」というフィルターを通すことが大事です。

評価ではなく「事実」だけを見る

事象や歴史の確かな事実だけを見て、人の評価にとらわれずに自分の頭で考えることが大切です。

著名人や高いポストにある人に言うことを鵜呑みにせず、また周りの評価にとらわれず、自分の頭で考えることが大事になります。

ある文章を読むときに、これは事実か?意見か?を判別する視点が大切ということですね。

疑問を抱く技術

「考えること」と「疑うこと」はとても似ています。
確からしく見える情報、とくに著名な人の意見などを鵜呑みししてしまうと考える力は養われません。

ふと浮かんだ疑問を封じ込めない

ふと浮かんだ疑問は、自分の正直な感覚です。
分析的な視点も大切ですが、この「感覚」はとても大事です。

感覚的感じた疑問を突き詰めて考えると、真実が見えてきます。

誰も疑わない「美しい言葉」こそ疑う

考える力がある人とは、疑う力がある人なのかもしれません。

世の中には誰もが疑わない言葉が多数あります。

自由、平等、平和 などですね。

ビジネスでもあります。

成長、サステナブル、社会的価値

などがそうでしょうか。

一見して正しく見える言葉は、「思考停止」を招きます。

あえて疑うことで、思考を働かせ、本質を見抜くことへと繋がります。

情報を考える技術

情報は非常に大事です。
情報がないと、考えもなかなか深められません。
では、どのように情報と向き合えば良いのか?
情報を読み解く力も大事でが、そもそもどのような情報を得るのか?という視点も同じくらい大事です。

目的意識を明確にする

目的意識を持って、できるだけ情報を絞り混む事が大切です。

人間はそもそもあふれる情報にながされやすい性質があり、何でもかんでも集めてしまうと、情報分析はうまくいきません

情報戦略にはイギリス型とフランス型があることが昔から知られています。
イギリスとフランスは百年戦争をはじめ何度も戦っていますが、小さな島国のイギリスが何度も勝利をしています。
イギリスの勝利の要因のひとつが「情報」
国土も狭く、予算も限られているので、相手の核心部を狙ったピンポイントの情報収集を行ったようです。
一方フランスは、大陸的な人海戦術で、イギリスに関するありとあらゆる情報を総花的に収集する方法をとっていたようです。
大量の情報から、イギリスの弱点を見つけることは困難だったようです。

情報収集を目的かすることを避け、何のための情報か?を考えることが大事ですね。

自分の絵にして精度を高める

インフォメーションをインテリジェンスにする

情報を積み上げ、磨き上げていく方法をこのように呼びます。

情報の9割は誰でも取得できるものです。

集めた情報をそのままにせず、自分なりのストーリーとしてまとめておくと情報に価値がうまれます。

完璧にまとめる必要などなく、ざっくりでOKです。

深さよりも、様々な視点で描くことが大事です。

まとめ

本質を考えるために必要なことは、「自分の頭」で考えること。

自分の頭で考えるためには、「?」を持つことだなと。

何ごとも鵜呑みにしないで、疑問をもつ姿勢が、考える力を養いますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました