「良いアイデア」は「良い問い」で決まる 問いを立てる【具体的6STEP】

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こんにちは、みなもとです。

・アイデアがなんだかありきたりで困っている
・アイデアの出し方とか、色々本を読んだけど、同じようなことが書いてある
・新しいやり方を試してみたいけれど、具体的にどうすればいいのか
 わからない

こんな悩みありませんか?

【この記事を読むと得られること】
・良いアイデアは、良い「問い」で決まる
・アイデアの出し方ではなく、「問い」の立て方を習得する
・良い問いの立て方具体的STEP

私は、マーケターとして10年以上キャリアを歩んで参りました。

「アイデア」に関する悩みにも10年以上真っ正面から取り組んで
まいりました。

常に、良いアイデアについて方法論などを学んでいます。

一時的に効果はあっても、すぐに新しい問題がおきて、また解決策を収集する
という繰り返しでした。

そんな中最近、答えに近いのではないか?という考えにたどり着きました

「良いアイデア」は、「良い問い」から

「リサーチドリブンイノベーション」という書籍に書かれていた言葉
です。

良いアイデアを考えついたとき、確かに良い問いの答えとして
スッと出て来たなと今までの経験則からも腹落ちがしました。

問いについて、その必要性と具体的な立て方まで、下記記載していきたいと
思います。

良いアイデアは、良い「問い」で決まる

良いアイデアって何だろう?

まず、良いアイデアについて考えてみたいと思います。
良いアイデアは大きく2つにわけることができます。

「解決しなければならない問題を解決するアイデア」
「解決したい問題を解決するアイデア」

解決しなくてはいけない問題を解決

これは、例えば得意先から受けた具体的な依頼
(例:ブランドの売上が落ちているのを何とかしたい)や
環境・社会問題など世の中的に問題だとされていること
(例:海洋プラ削減にむけて、何とかしなければいけない)です。

そのなかでも、すでに既知となっているものと、まだ未知だけれども本当は
解決しなければならないものがあります。

どちらにせよ、「外から与えられた問題」を起点としたものです。

外からの要請を受けて、
「~しなくてはいけない」と解決策を探ることです。

解決したい問題を解決

一方、自分自身が抱くある理想にたいして、現実との間にあるギャップ
です。

身近な例で行くと、スリムな体型になりたいという理想を抱いたときに
、ダイエットはしたいけど食べるのが大好きという現状があったとします。

そこで、好きなモノを食べながらも痩せる方法はないか?と
アイデアを考えるイメージです。

内から湧き出る衝動を起点としたものです。

「~したい」と解決策を探ることです。

内と外
良いアイデアには、「解決しなければならない問題を解決する」という、外からの要請を起点としたものと
「解決したい問題を解決する」という内からの衝動を起点としたもの
両方ある

そして、「解決しなければならない問題」「解決したい問題」が「問い」になります

良い問いは「内」と「外」が両立している

外からの要請、内からの衝動のどちらも含まれたものが「良い問い」になります。

外だけでは、なかなか自分ごとにならずにオリジナリティが掛ける場合があり、
逆に内だけでは、ひとりよがりになる場合があります。

どちらの要素も大切で、
内と外を行き来して考えていく必要があります。

しかし、ビジネスの現場を眺めてみると、圧倒的に外からの要請が多いです。
なので、意識的に自分の中にある「思い」と向き合ってみる時間をつくることをおすすめします。

普段実施している、商品アイデアを考えるワークショップでも
意識的に組み入れています。

そして最初のステップで「思い」を見える化することで、参加者たちのアイデアを考えたい
という気持ちが、動き出していくことを感じます。

「問い」と「アイデア」はセットです

アイデアの出し方ではなく、「問い」の立て方を習得する

では、どのように問いを立てるのか?
その考え方を書いていきたいと思います。

まず、アイデアの出し方の本質は実はシンプルで、「異なる要素の組み合わせ」です。

なので、どんな要素を用意するか?で決まってくる
その際選ぶ範囲が狭くても、広すぎてもいけません。

この「組み合わせるべき要素」を抽出する軸となるのが「問い」です。

問いをつくるきっかけしての2つの関心

問いのきっかけとなるのは、「内と外」の起点の他、2つの関心があります。

「実用的関心」
「概念的関心」

実用的関心とは、自分の困りごとを解決したり、欲求を叶えてくれたり「役に立つ」タイプ
の関心です

概念的関心とは、自分自身の特定の個別具体的な場面の悩みでは無く、普遍的な人や社会の本心に関わる関心です。

実用的関心と概念的関心はグラデーションでつながり、スパッと切り離せるものではありません。

問いをつくるための4象限

出典:リサーチ・ドリブン・イノベーション

問いの起点、きっかけとしての「4つの要素」

起点「内と外」 
きっかけ「実用的関心」「概念的関心」

その4つを組み合わせた4象限の視点が「問い」をつくる具体的な地図です。

Ⅰ:自分の知識/思想
自分の内側にある概念的関心を指します。
今の自分が持っている知識や理論や考え方が当てはまります。

Ⅱ:自分の不満/欲求
自分の内側にある実用的な関心です。
日々の生活や仕事の中で抱いている欲求、解決したい不満やニーズなどを指します。

Ⅲ:学問領域/世間の話題
まだ自分自身には取り込まれてはいないけれど、世間に存在する
概念的関心です。
新聞やニュースでの話題、インターネット上で議論になっていることなどです。
世間が抱いている興味や社会に蓄積されている知識。
インプットすることで、近い将来自分の概念的関心に変換されたり、結びついたり
する可能性がある領域

Ⅳ:既存の解決策/ニーズ
世間の実用的関心同じようにソースは新聞やニュースやインターネット上の
情報などですが、現在売れている、あるいは注目されているプロダクトやサービス
社会貢献活動に目を向けると、見えてきます。
紐解いていくと、自信の実用的関心と結びつく場合があります。

どこかひとつの象限を起点としながら、複数の象限をいったりきたりしながら
問いを立てることが「良い問い」につながります。

しかし、結構ひとつに偏ってしまうことが多いです。

先ほども触れたとおり、ビジネスの現場では、「外からの要請」を起点に
アイデアを創ることが圧倒的に多いです。

そこを逆手にとり、

たとえば、「身の回りの不」からアイデアを考えてみよう
というのはよくテーマに設定してしまっていたのですが、
結果は個人の特有に限った視点になってしまったり(その視点も大事ですが)
なかなかビジネスとしてスケールしにくかったということがありました。

今考えを知ってからは、あくまで「自分の不満/欲求」を起点としながらも
各象限の要素を組み込みながらPJとして進行するようになっています。

内と外、概念と実用を行き来する視点を仕組みとして持つことが重要です。

ビジネスにおける問いの立て方:具体的STEP

では、ビジネスにおける問いの立て方を具体的にみていきたいとおもいます。
リサーチドリブンイノベーションを軸にポイントを記載いたします。

ビジネスにおける問いは、
人間と社会の本質に迫る問いであると同時に、自社の事業を前進させるための問い
なっていなければいけません。

事業の領域をどのくらいの広さで捉えられるかが、ポイントになってきます。

【具体的6STEP】
①カテゴリを広く捉える
②モノではなく行為で捉える
③内から問を出す:実用的関心
④内から問を出す:概念的関心
⑤外から問を出す:概念的関心
⑥外から問を出す:実用的関心

①カテゴリを広く捉える

事業のカテゴリ整理には、「お菓子類」には具体的に細分化すると、チョコレート、ガム、キャンディ、スナックなど分類があります。

また食品とさらに抽象化して捉えることも可能です。

抽象的、具体的なカテゴリをしっかりと把握しながらも、問いを立てるときには「お菓子」そのものではなく、広く捉えるコトが有効です。

②モノではなく行為で捉える

事業(例えば:お菓子)の範囲内で人間と社会の本質を探求するには、
問いの領域を「モノ」に閉じずに、関連する「行為」にまで広げておくことが重要です。

そこでは「ミクロ」「マクロ」2つの視点が大事になってきます。

ミクロ視点
お菓子に関わる直接的な行為です。

買う、開ける、食べる、食べきる、捨てる

などが思い浮かびます

マクロ視点
間接的な視点から見た行為です。
お菓子を通して、人は何を経験しているのか?を考えていきます

リラックスする、人とのコミュニケーション、楽しむ

など出て来ます

また我慢する

なども出てくるかも知れません。

具体的な事業の対象そのものだけでなく、それを包含するカテゴリや、関連する行為まで
領域を拡張させていくと、リサーチの問いを探索する思考範囲も広がっていきます。

③内から問いを探す:実用的関心

まずとっかかりとして、身の回りの「不」や、こうなったら良いな!の「理想」から
探索していきます。
※四象限のⅡ

②で抽出したミクロ視点(食べる、開ける、捨てる、など)マクロ視点(コミュニケーション、リラックス など)の行為の気になるところを出していきます。

お菓子を例にとると、ついつい食べ過ぎてしまう、やポロポロとこぼれると言った
どんな些細なことでも良いので出していきます。

付箋に書き出す方法が有効です。

そして、他者と共感できる不や理想を問いの種として整理しておきます。

④内から問いを探す:概念的関心

そして、自分が今まで得た知識や経験、そもそも持っている思考など
自分のなかにある概念的なキーワードと結びつけていきます。
※四象限のⅠ

オンライン時代のコミュニケーションはどうなっていくのだろう
のようなイメージでしょうか。

最近読んだ本、面白いと感じている本の要素と結びつけてみるのも
おすすめです。

⑤外から問いを探す:概念的関心

つぎに、外がわから探す方法です。
概念的な要素は、新聞や書籍を筆頭にたくさんあふれています。
※四象限のⅢ

その中で、まだ自分の中にインプットされていないコトからヒントを
得ていきます。

オススメの方法として2つを紹介します。

1:大型書店や図書館に行く

直接関係しそうな棚だけで無く、くまなく棚を回ってみます。
この段階までに、食べる、開ける、リラックス、楽しむ
など関連のキーワードは頭の中に入っている状態です。

意外なカテゴリの意外な本と結びつきコトもあります。

2:社会学心理学の本からヒントを得る

人間の本質について探求は、とくに社会学、心理学においてされています。
まずは、その分野の名著を参考にすることでヒントになるキーワードは多数
出て来ます。

ただとっつきにくい場合が多いです。
そのときは入門書や解説の動画など、いまの時代わかりやすく咀嚼してくれる
媒体が多くあります。

⑥外から問いを探す:実用的関心

最後に、外側から問いを探すプロセスの実用的関心についてです。
※四象限のⅣ

ここでは、現在注目を集めているプロダクトやサービス、社会貢献活動を分析することで
問いを探索していきます。

世の中のソリューションは、現在の世間の実用的関心に応えているからこそ、
売れていたり、注目を集めています。

ビジネスとしての競合分析をする、というよりも
既存のソリューションが「人間や社会の本質の何を明らかにしてるか?」を分析する
ことが重要です。

以上、4つの象限それぞれの思考を往復しながら、複数の象限が結びつく問いを
つくっていきます。

行き詰まった時の対応策

それでもなかなか問いが思い浮かばないときはあります。
そんなときの処方箋を下記ご紹介します

・カテゴリを広く、を意識する

なかなか問いが浮かばない場合は、カテゴリを狭く定義しすぎてしまっている
場合が多くあります。
実際にプロダクトを体験したり、行為の解像度をあげておくことも有効です

・チームで話しながら考える

一人で考えても出てこないときは、みんなで考える。
個人の固定観念を取り払う意味でも有効です

・専門家を頼る

チームでも行き詰まりを感じたら、専門家に聞きのも手です。
とくに行為に着目をして、その専門家に話を聞くのがおすすめです。

例:リラックス→リラクゼーションの専門家であるエステシャンなど

・なくならないものに着目する

事業に関連する領域の中で、

「なくなりそうで、なくならないもの」
「なくしたいのに、なくならないもの」
「なぜか、ずっと変わらないモノ」

に着目すると、本質的な問いを立てるうえで役立ちます。

・ゆっくりした変化に着目する

なくならないものとは逆に「変わりゆくモノ」にもヒントがあります。
ここ1年の急激なトレンドよりも、5~10年かけて起こりつつある深層レベルでの
変化は何か?を考えてみるとヒントになります。

問いのチェックリスト
・明らかにする価値がある
その問いは明らかにする価値はあるか?
を冷静な視点でもう一度眺めてみる必要があります。

なぜなら、問いをつくる作業自体に熱中をしすぎて、問いをつくること自体が
目的になってしまうことがあるからです。

その問いを解決したら、本当に人間や社会の進化に貢献するだろうか?
を確認してみることが必要です。

・ステークホルダーの視点にたてている

事業領域の多様なステークホルダー(関係者)の視点に立ったときに
共感出来る問いかどうか?倫理的な配慮が欠けていないか?をチェックします。

当事者意識が強すぎると、逆に他者の視点をおざなりにしてしまう可能性もあり
冷静に確認することが大事です。

個人的な問いは、個人的な解決策に着地しがちなので、注意が必要です。

・探求的衝動がかきたてられる

プロジェクトのメンバーが

「考えたい!」「話したい!」「明らかにしたい!」と思える問いになっているかどうか?

素直に、その思いがプロジェクトの推進力になります

まとめ

問いとアイデアは=で結ばれています。

だからこそ、着目すべきはアイデアよりもまず「問い」である。

この「リサーチドリブンイノベーション」のコアメッセージココにあると思います。

PJの推進やWSの運営ファシリテーションを経験した中でも
問いの重要性は感じます。

解きたい!考えたい!話したい!

というメンバーの関心を刺激する問いが、アイデアイノベーションを生みます。

今回ご共有した実ステップ

①カテゴリを広く捉える 
②モノではなく行為で捉える
③内から問を出す:実用的関心
④内から問を出す:概念的関心
⑤外から問を出す:概念的関心
⑥外から問を出す:実用的関心

は問いを実務で使う道しるべだと思い、私自身活用しています。

さらに、問いについて知りたいかたは、是非
「リサーチドリブンイノベーション」を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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