文章には型がある:『外資系コンサルのビジネス文章作成術』

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・文章で意図を伝えるのが苦手
・いつもいちから考えるので時間がかかって仕方がない

このような悩みございませんか?

この記事では、ビジネス文書の型をご共有します。

参考にした書籍は
『外資系コンサルのビジネス文書作成術』です

まず、

プレゼン用途はパワポ
項目操作・数値計算を伴う表作成はエクセル
それ以外は全てワード

という前提条件を示しております。

ワードは

①A4タテでつくる
②文言の変更履歴を残す

という2点において、とても有効なのでワードをもっと活用しましょうというメッセージです。

①A4タテでつくる
ページをまたいで文章が続く
意味を表現しやすい

ページが膨大で目次の管理が大変な文書

②文言の変更履歴を残す
修正前後をひとめで確認できる
=関係者が全員把握できる

ビジネス文章の型

ビジネス文章をつくるにも、型があります

・文章を作る前

文章を作る前が大事です。
いきなり作り始めるのでは無く

WHO:誰に
WHAT:何のために
WHY:理由は妥当か

の3つの視点で考えます。

WHO:誰のために文章を書くのか?

見せる人により構成をかえる必要があります。

なぜなら、ひとによって気になるポイントが異なるからです。

上司と同僚を例にとると、上司はコストや納期、同僚は作業負荷が気になるかもしれません。

WHAT:何のために文章をつくるか?

この文章を使い、相手に何をして欲しいのか?
「ねらい」を考えます。

情報共有でしたら、最初にサマリーが必要ですし、難しい決断を迫るのであれば、過去の経緯と分析結果を順に示す構成が適切です。

たとえ、素材のデータが同じであっても、相手に見せる切り口や数字の細かさが異なってきます。

WHY:理由は妥当か

設定したWHOとWHYを眺めて、その組み合わせに違和感はないか?を考えます。

それぞれ単独では間違ってはいなくとも、組み合わせると違和感を覚えることは多々あります。

ポイントはいまいちど、届ける相手「WHO」の立場にたつことです。
その際は下記の2つのポイントが大事です。

1:期待値:相手が知りたいこと
2:理解度:知りたいことに対して、既に知っていることと知らないこと

理解度により、情報の取捨選択を行います。

WHOが複数あり、理解度にバラツキがある場合は、一番解像度が低い相手に合わせることがおすすめです。

3段階レビュー

「手戻り」:作ったのに、上司にダメ出しをされてやり直しになること。

これが仕事においてかなりの無駄になります。
でもそのような経験、ありますよね、、、。

手戻りを無くすための「3段階レビュー」を推奨しています。

3段階でレビューは、依頼者との間の「ギャップ」をとりのぞく効果があります。

3段階レビュー

①スケルトン
コンテンツを「目次レベル」+「概要説明レベル」で作成する。

文章の骨子となるため、文章作成の後半になるほど構成に変更が入ったときの手戻りは大きくなる、

できるだけ早く終わらせることが大事。

②ドラフト
スケルトンに沿って文章を一通り作成する。

文章の完成形をイメージできるレベルでレビューしてもらえるよう、ページ構成や図表の挿入場所を決め、ラフな図表も作成する。

もっとも時間をかけるフェーズ。

③フィックス
ドラフトを変更して第三者へ見せる品質に仕上げる。

印刷配布・電子版送付のすべてを想定して文章をチェックする。

ロジックを組み立てる6つのルール

ロジックの目的は、相手の理解を引き出すことです。

そのために6つのルールがあります。

①PREPで論点をまとめる
②主観と客観のPREPを使い分ける
③ロジカルシンキングでPREPを作る
④ラテラルシンキングでPREPを作る
⑤クリティカルシンキングでPREPを作る
⑥アウトラインと見出しでコンテンツを構成する

①PREPで論点をまとめる

PREPとは、

P:主張
R:理由
E:事例
P:まとめ

の流れで説明する方法です。

例えば

P:新しいスタッフを追加してほしい
R:長時間労働で彼らが倒れる前に対策を打つべきだから
E:スタッフのさんは、朝からずっと立ちっぱなしで昼にもいけなかった
P:至急の要因補給をお願いします

構造はとてもシンプルだからこそ、R(理由)がよく練られていないと、相手は疑問を持ってしまいます。

スケルトンの段階から理由の妥当性を十分チェックすることが重要です。

②主観と客観のPREPを使いわける

主観と客観のアプローチを使い分けると、相手に響くロジックが組み立てやすくなります。

自分の経験や相手との関係性によって

「自分の考えをそのまま伝えることが喜ばれる」場合と、「選択肢を示して相手に委ねた方が喜ばれる場合」

に分かれます。

主観のPREP:当事者として主張する

P:推奨案を示す
R&E:主観を交えた深みのある説明
P:相手の承認を得る

主観のPREPは、主張部分で自分の推奨案を示し、理由と事例で主観を交えた深みのある説明を行います。
まとめ部分で相手の承認を得るという構成です。

自分の経験を評価してくれている、熱意を求めている相手にはこのアプローチが効果的です。
客観のPREP:専門家として主張する

P:複数案を出す
R&E:客観的な事例の列挙と優劣
P:観点別に最も評価の高い案を選ぶ

客観のPREPでは、理由・事例部分で客観的な事実の列挙と優劣の比較を行います。
まとめ部分で観点別に最適案を選ぶ構成です。

自分の考えはまとまっているが参考情報を知りたい、複数の視点から評価したいと考えている相手にはこのアプローチが効果的です。

③ロジカルシンキングでPREPをつくる

ロジカルシンキングは、論理的に物事を要素分解する垂直思考ともいえます。

複雑な問題を、単純な単位に問題を切り分けるにはどうしたらよいかを考えていきます。

a:「演繹法」
個別の事実と一般的に通用しているルールをインプットとして、結論を導くアプローチです。

R:「A社のシステムは営業事務の一部作業を自動処理におきかえる」
E:「X社の営業事務員は残業が多く、手作業を減らしたい」
P:「だからA社のシステムはX社の営業事務員に受け入れられやすい」

b:「帰納法」
個別の事例を集めてルールを予想するアプローチです。
何かを証明するために用いられることが多いです。

R&E「A社システムはO社で導入され、業務が改善された」
R&E「P社でも導入されて一定の効果を出している」
R&E「Q社では導入することが先日決まった」
P「だからX社でも導入による効果が見込める」

④ラテラルシンキングでPREPをつくる

ラテラルシンキングは、結果に至るプロセスの多様性に着目して最も効率的な解決策を見出す水平思考です。

「もっと簡単にできるやりかたはないか?」
「似たような事例ではどうやっているか?」

など、様々な可能性を考えます。

a:類推思考

中身や性質が似ていることに着目する「類推」と、見た目が似ていることに着目する「類比」によって説明することです。

E:「当社システムを導入した小売り業者は営業業務が改善した」
R:「X社の属する製造業と小売業は営業手順が似ている」
P:「当社システム導入によってX社の営業事務は改善する」

b:仮説思考

最初に仮説をたてて検討を進めて、途中で間違いに気づいたらすぐに別の仮説をたてること。

R&E「当社システム導入で営業事務が改善したO社は部門管理だ」
初期P「当社システムは部門管理の営業事務を改善する効果がある」
新R&E「Q社の営業事務は単品管理だが、当社システム導入を決めた」
二次P「単品管理の会社でも当社システムで営業事務が改善される」

⑤クリティカルシンキングでPREPをつくる

クリティカルシンキングとは、本当に達成すべき目的を見極めて解決策を示す探求思考です。
「その前提は妥当か?」
「本質的な問題は何か?」

と与えられた情報に対して主体的な課題設定をします。

a:弁証法

問題がおかれている状況や前提を掘り下げて分析し、解決案をいくつか考えて、長所をかけあわせた折衷案をつくる考え方。

E「X社の営業事務の特殊問題は個別開発でも対応できる」
E「費用対効果が出ない個別開発を除外しても改善効果は出る」
E「X社の業務ニーズは重要だが、費用対効果も重要」
P「個別開発部分は安価な簡易ツール導入に替えて提案する」

とはいえ、全ての完全合意は難しいです。
限られた時間で結論を決めなければいけない以上、異論が残っていてもそれ以上の議論はしないと割り切ることも重要になってきます。

b:背理法

目の前の案が抱える問題・欠点・矛盾をさらけ出して否定して、別に考えている案の妥当性を消去法で選ぶアプローチ

Ⅰ:R&E「個別開発部分は安価な簡易ツールを導入する」
Ⅱ:R&E「別製品システムでX社の営業事務に適合するものを導入する」
Ⅲ:初期P「Ⅱが適切との前提で取り組む」
Ⅳ:新R&E「Ⅱであっても結局、個別開発は発生せざるを得ない」
Ⅴ:新P「もともと検討していたⅠでX社に提案する」

⑥アウトラインと見出しでコンテンツを構造化する

言いたいことはすべて明記し、論点をわかりやすく構造化できているほど、相手に理解されやすくなります。

論点を構造化するために「目次」を活用します。
目次は意味段落のまとまりにつけられた見出しであり、これをきれいに整理できると文章のロジックがわかりやすくなります。

まとめ

文章作成の6つのルールは非常に効果的です。

①PREPで論点をまとめる
②主観と客観のPREPを使い分ける
③ロジカルシンキングでPREPを作る
④ラテラルシンキングでPREPを作る
⑤クリティカルシンキングでPREPを作る
⑥アウトラインと見出しでコンテンツを構成する

いつでも思い出せるところに貼っておくことをオススメいたします。

また、『外資系コンサルのビジネス作成術』

はワードのポテンシャルの高さを再確認する本でもありました。

効果的に使う細かなテクニックが満載ですので、気になる方は是非本も手に取って見てください。

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