『暗記する戦略思考』は「考え始める」ための型を獲得できる

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・難題にぶつかったとき、どこからはじめれば良いのか?がわからなくて困る
・ビジネスセオリーは理解しているつもりだけど、使う場所が今ひとつわからない

このような悩みありませんか?

そもそも、ビジネスは明確な答えがあるわけではありません。

なので、「迷ってしまう」という局面は少なからずあります。

そんなとき、「何から考え始めれば良いのか?」思考のきっかけが欲しいですよね。

『暗記する戦略思考』は、そんな思考のきっかけが12個の型としてまとまっていて、
暗記することにより、考えることを深く楽しくしてくれます。

再現性が高いので、スグに使うことが出来ます。

『暗記する戦略思考』は「考え始める」ための型を獲得できる

考え始めるための12個の「戦略スウィッチ」

①リアルスウィッチ:リアルに考えること、自分勝手の状況を置き換えて考える

例えば、「大学1年生の英語留学先」を考えるというテーマ。

「大学1年生」というイメージだけで、思考を進めず、どこの大学?サークルは?今どんなことを感じている?留学の費用はどう捻出する?
などなど、大学1年生をどんどんと具体化して考えていきます。

イメージを具体化する方法として、自分の経験を振り返る、自分の身の回りのひとを思い浮かべるなどが王道ですが、あまりに自分とかけ離れた対象を具体化する際には、SNSなどで近しい人を探してみて、ウォッチしてみるのもおすすめです。

②誰が敵か?を考える:消費者がお金を使うまでの分岐を明らかにする

例えば、カインズの売上を1.5倍にするというお題がに対して、消費の分岐をイメージしてみます。

1:「ホームセンター」VS「ネット(Amazonなど)」
その分岐に勝利したら
2:「カインズ」VS「他のホームセンター」
そしてカインズまで来たら
3:「カインズでたくさん買う」VS「来店目的のものだけ買われてしまう」

この3つの分岐を考え、なぜ負けるのか?を考え対策を売っていくイメージです。

この流れは非常に使えて、消費だけでなく使用にもつかえると思います。

正しい使い方 VS 誤った使い方

などを想定させて、商品の使用そのものの体験価値を上げるためのアイデアにつなげることもできます。

③ホーム&アウェイを地理的/視覚的に認識する

このエリアは勝てるし、勝たなきゃ行けない。
このエリアは負けるのが基本、だから10回に1回でも勝てたら御の字。

例えば、東京都内の自動車教習所の売上を2倍にするというテーマに対しては

1:当自動車教習所から近いエリア=ホーム
2:他の教習所が近いエリア=アウェイ
3:どちらともいえないエリア=勝負どころ
4:別の戦いとして地方にいく合宿

といったイメージ。
商圏をはっきりと認知することですね。

④生態系の変化に注目

既存事業への/ネガティブな影響を意識する。

例えば、セブンがコインランドリーに参入した場合の課題。

1:今のコンビニの生態系がどうなっているか?
2:コインランドリーが併設されることにより、どう変わるか?
3:変化のうち解決できないネガティブな側面を抽出する

といったイメージで考えていきます。

新規を考えようと言うお題は本当に良くあります。
ひとつの部門になっている会社も多いですよね。

ただ、新規だけを考えて、既存のリソースを消耗させ、結果全体として悪影響になってしまったということも良く聞きます。

新しいことを考えるときこそ、

今の生態系=仕組みがどうなっているのか?

から考えるのはとても大切に思います。

⑤利害関係者を考える:ありとあらゆる人の利害を考える

例えばスギ花粉の抑制薬(スギに直接噴射する)をどうすれば普及するか?の視点

利害関係者をあげ、それぞれの「プラス」と「マイナス」を書き出していく。
そして、普及をストップさせようと想像されるプレイヤーにたいする解決先を考える。

・スギ花粉抑制薬を開発した製薬会社
・花粉症に効く薬を開発した他製薬会社
・マスクなどを販売している製薬会社
・花粉症の治療を行っている病院
・診療報酬などを決めていそうな厚生労働省
・花粉症の患者さん
・花粉症ではない人々
・スギ林を保有する林業の方
・ヘリコプター会社

などなど、丁寧に全員あげていきます。

林業関係者、地元の病院、花粉症ではない人々

ここらへんまで出し切ることが大事です。

⑥本当の競合は誰か?を考える
目の前の敵が本当に競合か?を疑ってみる

例えば、コンビニの業界1位セブンを倒すための方策を考えるというテーマ。

セブンより、どう良いコンビニになるか?と考え、商品のラインアップ案などを深掘るなどがパッと頭に浮かびやすいが、実はそこが落とし穴。

コンビニのブランドで選ぶということは実はしておらず、立地で選ぶ(近くにあるから)がほとんど。

となると、その立地でお金を使ってもらうために、どのようなサービスを充実させるか?がポイントとなってきます。

⑦わかった後の行動を考える。

〇〇VS〇〇の形で、行動の分岐を軸とする考え方

なにかを「調べる」ときに必ず出てくる考え方です。

例えば、フランスのスーパーがネットスーパーに進出を検討している場合。
どのような情報があれば、判断ができるか?

「ネットスーパーに参入する」VS「ネットスーパーに参入しない」
を決めるために考えていきます。

ネットスーパーの位置づけは
「リアルスーパーとネットスーパーの関係は主従関係」VS「独立関係」

市場環境/事業環境が
「日本と同じ」VS「フランス独自」

既存スーパーの位置づけが
「シェア1位」VS「シェア2位以下」

事業の展開範囲が
「フランスのみ」VS「欧州全域」

株主からの期待は
「短期的=2年」VS「中長期的=3~5年」

と意思決定者が悩む「分岐」を明らかにして、そのために知りたいことを考えていくといったイメージです。

仕事は

インプット→考える→アウトプット

の順で進行することがほとんど。

なので「調べる」技術は必須になります。

なので、

「お題が出てくるやいなや調べ始める」

これは本当にNG行動になります。

そしてもうひとつ、MECE(モレなくダブりなく)を気にしすぎる。

これも本質からはズレています。

とにかく「調べたあとの行動」を想像する。

ココを意識することが大事です。

⑧ターゲットとの距離を考える

どの層がターゲットになりやすいか?序列をつける

たとえば、1000円カットのQBハウスの利益を増やすというテーマ

QBハウスを使ってくれなそうな人の序列をつくりそれぞれにどう使ってもらうか?を考えていくイメージです。

使ってくれなそうなターゲットランキング
1:美容院に行く女性
2:美容院に行く男性
3:美容院に行くシニア
4:子ども
5:地元の床屋に行くおじさん

それぞれなぜ使ってくれないのか?
を考えて、どう解消するか?を考えていきます

まずは、「一番使ってくれそうな層」から考えていくのがセオリーになりまうす。

こう書くと当たり前のように感じますが、実は「1番使ってくれなそうな層」にアプローチするアイデアを考えてしまいがちです。

なぜなら、一番インパクトがあるし、打ち手が派手だからです。

少しずつ領域を広げていくという意識がポイントですね。

⑨フチドリ思考

「何が問われているか?」を考える。
「〇〇ではなく□□」という視点で論点を意識する。

例えば、定員割れの大学が中長期でどうすれば経営状態が良くなるか?といテーマ。

まずはじめに、「何が問われているか?」を考えます。

「人気の大学」ではなく「定員割れの大学」

「短期」ではなく「中長期」

「売上を伸ばす」ではなく「経営状態をよくする」

という違いを意識して考えはじめます。

お題があると即座に答えたくなる。

答えられるか?という不安からか、とにかく解決案を乱発してしまう。

ということ、自分自身も結構ありました、、、。

「答えるべきことに答える」

そのときに、「〇〇ではなく□□」と唱えるだけで驚くほど、フォーカスポイントが絞られます。
これは、かなり効果ある呪文です。

⑩フェルミ推定

「因数分解」から考える。
因数分解をすると自然とMECE(モレなく、ダブりなく)になる

例えば、業界2位のパーソナルジムチェーンの売上を伸ばすためにはどうすれば良いか?というテーマ。

売上の因数分解からはじめます。

売上=「チェーン店の数」×「1店舗の売上」

さらに細かく分解すると

売上=「チェーン店の数」×「トレーナーの数」×「1日のレッスンコマ数」×「埋まり率」×「1回のレッスン単価」×「営業日数」

それぞれの要素に対して、期待まで到達していない原因とその打ち手を考えて行きます。

戦略を考えるには大きく2つの流派があると言います

①リアリティ:いかに具体的に考えるか?「深く」を追求していきます

②分解/MECE:いかにMECEに考えるか?

フェルミ推定は後者「②分解/MECE」になります。

どちらかではなく、どちらも使えるようになることが大事。

⑪「条件分岐」を考える

戦略の方向性が変わる条件を見極める思考.

例えば、ある衣料品メーカーのすごい素材で出来たストッキングの価格含めた戦略を考えるというテーマ。

衣料品メーカーにとってのストッキングの位置づけから考えます。

「衣料品メーカーがストッキングを製造・販売しているのか?」
「既存のストッキング事業が会社の主力か?」

により戦略は変わってきます。
その分岐を意識して考えていきます。

価格を決めないと!
といきなり計算をはじめることを防ぎ、より深く考える方向に向かわせてくれます。

とにかく

「飛びつかない!!」ことが大事ですね。

⑫最も難しく考える

飛び道具に頼るなどはもってのほかで、「そのまんま」を前提に考える。

・M&A
・広告
・新規事業

といった飛び道具に飛びつくと、思考が止まってしまいます。

いきなり飛び道具的な案を出すのでは無く、今の延長線上でどうしていくか?を考える。

まとめ

戦略思考とは

つくづく「選ぶこと」だと思います。

それは同時に「選ばないこと」にもなります。

しかし「選ばないこと」は難しいです。
なぜなら。間違えて取り返しのつかないことになるのがこわいから。

考えることは、その恐怖心をどんどんと払拭してくれることにもなります。

具体的な技術を『暗記する戦略思考』では教えてくれます。

この本は、「具体的な事例」から抽象概念に上っていく構成になっています。

はじめに、具体的に考えてから抽象にたどり着くので、理解が深まります。

実際に、この12のスウィッチを活用しています。

仕事の「深さ」が明らかに違ってきました。

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