「フォートナイト」ってマーケティングに活用できないんだろうか?
このようなことを考えていませんか?
【この記事の内容】
・フォートナイトをマーケティングに活用する方法
・具体的な活用方法
・メリット/デメリット
2022年はメタバース元年と呼ばれるほど、ちまたではメタバースという言葉が溢れました。
その中で、事例としてよく上がるのが「フォートナイト」です。
昔にゲームを卒業してしまった私は、正直やっていませんでした。
しかし、実際の仕事として、メタバースのテーマも増えてきた今、さすがにやっていないのはまずいなとの思いからプレイしました。
結論から言うと、めちゃくちゃ面白かったです笑
感じたことは、
①初心者でも、躊躇なきできる(オンラインでも1人で参加できるので)
②世界が広大
③アイテムが豊富
といったことです。
そして、これは企業のマーケティングにも使えるのでは?と思いました。
実際に事業としてフォートナイトを活用している方にも、聞くとやはりマーケティング活用の有効性は認められていて、事実事例も出て来ているようです。
本日は、自分でプレイして感じたことと実際に有識者の方々にヒアリングしてえた知見を整理してみたいと思います。
フォートナイトをマーケティングに活用する方法
フォートナイトとは
フォートナイト(Fortnite)は、EpicGamesが販売・配信するオンラインゲームです。
※2017年公開
WindowsPC、Playstation、Nintendo Switch、Android端末(スマホ/タブレット)など、幅広いプラットフォームで展開されています。
全世界でアカウントが4億ほどあります。
月間アクティブユーザーは7000万人と言われています。
18~24歳のユーザーが6割以上と、年齢層が若いのも特徴的です。
※2023年6月時点
様々な体験が出来ます。
「バトルロワイヤル」
100人のプレイヤーがバトルバスに乗って、島へと上陸。武器や防具などを使って戦い、身を守るやぐらや壁を建築して身を守りながら、最後の1人をめざします。
ソロプレイ/チームプレイがあります。
継続的にアップデートがおこなわれ、各シーズンには、独自のテーマがあります。
「クリエイティブ」
自分だけのオリジナルの島やゲームを制作することができます。
オリジナルの島では好きなルールを設定することが出来ます。
レースや鬼ごっこ、かくれんぼといった、いわゆる銃撃戦ではない遊び方も出来ます。
自分の島、友人の島だけでなく、選出されたおすすめの島にいくことも出来ます。
「世界を救え」
フィールドを探索し、他プレイヤーとチームを組みながら、モンスターを倒す協力モードです。
ゲーム内のモンスター「ハスク」との戦いに勝利すれば、戦利品の発見や武器のクラフト、野生生物の手名付けなどが行えます。
※世界を救えは有料コンテンツです。
フォートナイトは基本無料でプレイ可能です。
ゲーム内で課金すれば、コスチュームや装飾品などのアイテムがゲット出来ますが、お金をかければかけるほど、ゲームが有利になる要素はありません。
※ここが多くの人に受け入れられている理由でもあります。
フォートナイトのマーケティング活用
フォートナイトをマーケティングに活用するには、下記のような方法が考えられます。
オリジナルの空間とゲームを創る
クレイティブモードにて、ブランド独自の世界感とブランドが体感できるゲームを生成します。
ユーザーがそのワールドとゲームを体験することが、ブランドの接点となり、親近感を生みます。
空間内に広告を出稿する
クリエイティブモードで1から空間をつくらなくとも、人気の空間に広告を出すことも可能です。
ゲーム時間が長時間になっていることを考えると、多くの人に多くの回数接点をもつことができます。
eスポーツイベントに協賛する
今やeスポーツは、スポーツの一種としてカテゴライズ化されています。
eスポーツのイベントとしても、フォートナイトは活用されることがあり、
フォートナイトのプロプレイヤーも存在しています。
その大会のスポンサーになることによって、認知をひろげることも出来ます。
生活者の購買プロセスとフォートナイト
生活者が購買に至るプロセスは、
認知→理解→共感→行動
に分解が出来ます。
フォートナイトは認知~共感のプロセスにて効果を発揮します。
ブランドの世界観を表現した空間、ブランドの特徴・メリットを表現したゲームを体験してもらうことにより、ブランドとの接点をつくることが出来ます。
空間とゲームは1度つくってしまったら、月額の使用量などは今のところ発生しません。
独自のメタバース空間をつくると、どうしても発生してしまうサーバー代。
同時接続人数やオープンしている期間で変動します。
フォートナイトという、世界的に人気のプラットフォームを活用できるメリットは大きいと思います。
「オリジナル空間」制作における「3つ」のポイント
フォートナイトをマーケティングに活用する方法はいくつかあります。
そのなかでも、中長期をみすえて運営していくという視点に立つと、「オリジナルの空間とゲームを創る」という方法が最も有効だと考えます。
オリジナルに創る場合のポイントを3つ共有します
①目的を明確にする
オリジナル空間にて、どのようにブランドを認知してもらいたいのか?どのようなゲーム体験においてブランドを理解して欲しいのか?をしっかりと設定することが大事です。
ここは、リアルで行う、伝統的な施策と変わりありません。
目的にあった世界観づくり、ゲームの設計、運用の方針を決めていきます。
まさに、デジタル・メタバース空間におけるブランディングと言えます。
②設計が大事
目的を満たす設計が重要です。
この設計こそが、成功と失敗をわけるポイントになります。
例えば、下記2つの視点は使えます。
世界観・舞台設計:そのブランドが必要な、そもそもの理由
お菓子系でしたら、リラックスの重要性
サプリ系でしたら、健康機能の重要性
害虫の駆除系でしたら、家で害虫の出る場所がわかる
など、そもそも日常においてそのブランドが必要となる場面が想起できる空間設計にすることがポイントです。
ゲーム設計:ブランドの特徴、メリットが伝わる
かわいいキャラがリラックスにつながる
パズルのように健康状態をつくっていく
ビームで害虫をやっつける
など、ゲームをプレイするとブランドの特徴が自然とインプットされるような仕立てが大事になってきます。
③告知が大事
PFとして多数のアクティブユーザーがいるフォートナイトを活用するとはいえ、フォートナイト内には魅力的なゲームが多数存在します。
EPICゲームスにピックアップされて、トップ画面に乗れば10万以上のユーザーが訪れてくれると言います。
ただ、何もしなければもちろん訪問してくれる人もいません。
そこで告知が大事になってきます。
ここはリアル施策も同じですね。
フォートナイトは、プロゲーマーやストリーマー、Youtuberが多数いて、なかにはフォロワーが10万以上のインフルエンサーも居ます。
インフルエンサーと有効に連携を取ることが、告知のフェーズでは大事になります。
事例
まだまだ数は多くありませんが、実際にフォートナイトをマーケティングに活用している企業は存在しています。
いくつか事例を紹介します。
あいおいニッセイ同和損保
デジタルデータでリアルに構成されている工業地帯の住人を主人公と。
サーバーが不具合をおこし、世界が崩壊しつつある世界を舞台にしています。
サーバーが設置されている巨大な建物の最上階を目指して、主人公は地下から侵入を試みて最上階を目指していきます。
デジタル空間におけるセキュリティという視点でオリジナル空間とゲームを制作
本田技研工業
架空の未来都市“Honda City”を舞台に、謎解きやアスレチックなどが用意されたステージに挑戦していく作りとなっている。
マップ内には、CIVIC TYPE RやCRF250Rなど、実在の人気の車両やバイクが登場
メリット/デメリット
フォートナイトをマーケティングに活用するメリットとデメリットを整理しました。
メリット
①若い世代への認知
②楽しく理解・共感を得られる
③管理のコストを低く抑えられる
①若い世代への認知
フォートナイトのユーザーは6割が18~24歳のいわゆるZ世代と呼ばれる層です。
新しい世代にむけたブランドにしたい、既存のブランドを若い世代にアプローチしたいといったブランド課題を解決する媒体になりえます。
②楽しく理解・共感を得られる
フォートナイトという場、ゲームというコンテンツを活用することにより、
楽しみながら、ブランドとの接点を構築することが出来ます。
ターゲットとポジティブな感情の中コミュニケーションを取れることは、ブランドの好意度を上げることに非常に効果的です。
③管理のコストを低く抑えられる
フォートナイトのプラットフォーム活用は、いまのところ月額の使用料は発生しません。
※フォートナイト側としても、自社プラットフォームに様々な空間とゲームが増えるのはメリットと考えているようです
ユーザーの体験情報に合わせたメンテナンスやアップデートはもちろん必要となってきますが、サーバーを借りて運営するのに比べると、管理のコストを低く抑えることが出来ます。
デメリット
①具体的な購買行動に紐付けられない
フォートナイトから外部のサイトへ飛ばすのはNG
②強力なライバル
③スマホとの親和性
①具体的な購買行動に紐付けられない
フォートナイトから外部のサイトへ飛ばすのはNGです。
なのでキャンペーンや実売と紐付ける導線はフォートナイト内だけでは設計できません。
ゲームクリアで応募のためのメッセージが現れるなど、一工夫が必要となります。
②強力なライバル
すでにフォートナイト内には多数の空間とゲームが存在しています。
なにより、主要コンテンツである「バトルロワイヤル」もあります。
その中で、自社の空間に訪れて貰うには、ユーザーとしてのメリット、なにより「楽しそう」と思って貰える設計が必要です。
③スマホとの親和性
フォートナイトがプレイできるデバイスはPC、PS4/5、スイッチ、アンドロイドです。
iphoneではプレイが出来ません。
また、スマホとの相性もあまり良いとは言えません。
とはいえ、今デバイスとして圧倒的に普及しているのはスマホです。
あえてスマホでも容易に操作できるような設計にする、割り切ってスマホ以外のデバイスにおける接点とする、など方針が必要になってきます。
まとめ
フォートナイトのマーケティング活用のメリットは3つあります。
①若い世代への認知
②楽しく理解・共感を得られる
③管理のコストを低く抑えられる
日常の中で、楽しく、ポジティブにターゲットとのコミュニケーションがはかれることは大きいですよね。
事例も、少しずつ増え始めてきています。
引き続き、インプットしていきたいと思います。
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