こんにちは、みなもとです。
日々働いていると、人と組んで働く機会が多いです。
そもそも、会社には「部署」の単位がありチームで動くことを
イメージして組織がつくられています。
そこで、
・MTGが盛り上がらない
・チームの意識が停滞している
・チームメンバーの力をうまく引き出せていない気がする
このような悩みがあるのではないでしょうか?
これらの悩みは、まさに自分が直面してきた悩みでもあり
解決のために試行錯誤してきた悩みでもあります。
「問いかけの作法」という書籍を読み、まさに今回の悩みを
解決してくれる内容だと感じました。
本を熟読し、実際の実務にも活用して役立った内容を共有したいと思います。
【この記事の内容】
・チーム活性のポイントは「問いかけ」にあり
・効果的な「問いかけ」:3つの方法
・普段の仕事に役立つ、問いかけTIPS
チーム活性のポイントは問いかけにあり
チーム活動を活性化するには?
「とらわれ」と「こだわり」の2つの視点。
「こだわり」を見つけて育てること、「とらわれ」を疑い問い直すこと、2つの視点が重要です。
先の見通しが立てにくい現在、自分たちが良いと思える仕事をするためには、自分たちが良さの基準を持ち、そこにこだわる必要性があります。
こだわりは、衝動が起点です。
例えば頼まれてもいないのにやってしまったこと、時間をかけてついついやってしまうこと、からあぶり出していきます。
同時に、チームにおける「とらわれ」を疑うことも大事です。
自分たちが自然としている考えは、捨ててもかまわない「とらわれ」なのか?今後も守るべき「こだわり」なのか、を見定めることが重要です。
そのために、「問いかけ」を使っていきます。
問いかけとはなにか?
問いかけとは、「相手に質問を投げかけ、反応を促進すること」です。
その質問によって反応は異なります。
反応の例)
①記憶の想起
②記憶の調査
③知識の披露
④情報の検索
⑤価値観の内省
⑥思考の停止
⑦沈黙、謝罪
などなど
チームのポテンシャルを引き出すために、
「望ましい反応」をねらって質問を工夫することが大事です。
問いかけの基本ルール
問いかけの基本的なルールとして4つ紹介されています。
①相手の個性を引き出し、こだわりを尊重する
相手に好奇心を持ち、こだわりの理由を掘り下げる
②適度に制約をかけ、考えるきっかけを与える
「何か良いアイデアはありますか?何でも良いです」と問われてもなかなか答えにくいです。
「どんなユーザーをターゲットにしたいか?思い浮かぶ特徴はありますか」
など、考えるとっかかり、思考の範囲をあえて限定することで頭を使いやすくします。
③遊び心をくすぐり、答えたくなる仕掛けを施す
悪い問いかけは、相手に無闇にプレッシャーを与え、相手の口を閉ざしてしまいます。
相手の思考を刺激するために「遊び心」が大事です。
例えば、良いアイデアは無いですか?
と要求せず、
良いアイデアをだすのは難しいので、まずは悪いアイデアから考えてみましょう笑
など問いかけてみると、発言のハードルが下がります
④凝り固まった発想をほぐし、意外な発見を生み出す
無意識に繰り返している「言葉」に着目して、それに揺さぶりをかけます。
なんとなく使われている言葉を見直し、あえて違う言葉をつかうことで意外な発想を促すこともできます。
チームにとって「とらわれ」の外にある、思いもよらない結果を受け入れていくことが重要です。
効果的な問いかけ:3つのサイクル
効果的な問いかけのための3つのサイクルが紹介されています。
①見立てる
チームメンバーの状況をよく観察することにより「見立てる」
メンバーがどのような状況なのか?
どんなことを考えているのか?
チームのことを観察、分析します
※見立ての3角形モデル
「場の目的」
ミーティングのゴール
・情報共有
・すり合わせ
・アイデア出し
・意思決定
・フィードバック
「見たい光景」
チームメンバーがどのような状態になっていることが望ましいか
コミュニケーションの状態に対する目標です
「現在の様子」
実際にミーティングにおいて、目の前で展開されている状態
この3点をグルグルと検討しながら、今必要な変化を考えていきます。
②組み立てる
質問を組みたてる3つのSTEP
STEP1:未知数を定める
何を明らかにするための質問なのか?
相手に何を尋ねたいのか?
知りたいことを定めることからはじめます
例
自社サービスの提供価値を定める
【知りたいことのポイント】
-チームが目指す方向性
-まだ定義されていないキーワード
STEP2:方向性を調整する
質問の主語のレベル、質問が示す時間軸を調整します
例えば、
あなたはこれから自社サービスでどんな価値を提供していきたい?
(個人主語×未来)
これまでユーザーは自社サービスのどんな価値を評価してきた?
(サービス主語×過去)
【方向性をみつけるポイント】
-主語の抽象度を引き上げて視座を上げる
-主語を個人にすることで、自分ごと化する
-過去を振り返るか?未来を見据えるか
STEP3:制約をかける
前述の4つのルールにもあるとおり、相手の意見を引き出すためには適度な制約が必要です。
例えば、
「あなたは3年後に自社サービスでどんな価値を提供していたい?」
(時間的範囲の制約)
「これまでユーザーが評価してきた自社サービスの価値を3つあげるとしたら?」
(答え方の制約)
【制約のかけ方】
-トピックを限定する
「リモートワークを推進するために、どんな社内規定が必用か」
-形容詞をつける
「リモートワークを楽しくするために、どんな社内規定が必用か」
-範囲を指定する
「リモートワーク推進で3年後に実現したいあなたの理想的な未来の働き方は」
-答え方を指定する
「社内規定のフォーマットで」
「1つだけあげるとしたら」
「3つに絞るとしたら」
「10分でプレゼンしてください」
質問の制度を上げる「フカボリ」と「ユサブリ」
フカボリモード
チームの暗黙の前提、共通の価値観、があいまいでチームとしてのこだわりが見えないときに、解像度を高めるためのモードです。
【フカボリ】の質問
「素人質問」
みんなのあたりまえを確認する
「ルーツ発掘」
相手のこだわりの源泉を聞き込む
こだわりが発露しやすいポイント
-基準の高さ
-過剰な投資
-違いの認識
-怒りのツボ
-偏愛対象
-違和感
「真善美」
根底にある哲学的な価値観を探る
ユサブリモード
固定観念や価値観のズレなどの「とらわれ」が見えてきたときに、新しい可能性を探るためのモード
「パラフレイズ」
別の言葉や表現に言い換えを促す
「仮定法」
仮想的な設定にによって視点をかえる
「バイアス崩壊」
特定の固定観念に疑いをかける
ミーティングのプログラム設計と問いかけ
・イントロダクション:進行役から挨拶、ミーティングの目的
【問いかけ】全体になげかける問いかけ
・チェックイン:参加メンバーから一言づつ
【問いかけ】アイスブレイク代わりにメンバーに投げる簡単な問い
・話題提供:ミーティングに必用な情報
・意見交換:情報に関する意見など
【問いかけ】意見を促すための問いかけ
・ディスカッション:メインのお題にたいして、グループで討議
【問いかけ】ディスカッションのお題としての問いかけ / 詰まったときの視点を変える問いかけ
・成果の確認:話し合いの結果を共有振り返り
・まとめ:結論を合意、次のアクション
【問いかけ】次につなげる問いかけ
このフローすべてに問いかけのチャンスがあります。
事前に問いかけを用意すると効果的です。
メインの質問から逆算にてプロセスを組みます。
フカボリとユサブリ、2つのモードを組み合わせて設計していきます
③投げかける
ミーティングは開始五分がポイントと言います。
そこでいかに相手の注意をひくか?がポイントになってきます。
注意をひくためのアプローチ
①予告:事前に伝えておく
②共感:相手の心境を代弁する
③扇動:前提を大げさに強調する
④余白:あえて間を演出する
頻繁につかいやすいのが、予告と共感
たまに使うと強力なのが、扇動と余白です。
質問を引き立てる方法
質問の表現をアレンジすることで、質問の効力を高めます。
【質問の前提や特定箇所を強める技法】
「倒置法」:語順を逆にすることで、前提を印象づける
「誇張法」:大げさな表現でフォーカスポイントをつくる
「列挙法」:具体的な単語を並べて、質問の抽象度をカバー
「対照法」:対をなすメッセージを添えて質問を際立たせる
・質問の意味を拡げ、イメージを豊かにする
「擬人法」:人間に見立てることで、質問に感情をこめる
「共感覚法」:五感に関する表現で、感覚を刺激する
「声喩法」:オノマトペを足して、質問を情緒的にする
・質問の言葉のニュアンスをぼやかす
「緩叙法」:二重否定を使って、直接表現の印象を操作する
「婉曲法」:露骨にネガティブな表現はオブラートに包む
まとめ
問いかけひとつで、ミーティングが活性化する。
そんな場面に何度も出くわしてきました。
なぜ、議論が活性化したのか?
逆になぜ議論が停滞してしまったのか?
今までは、何となくの感覚でしか理解できていませんでした。
その答えが、この「問いかけの作法」には記載されています。
ミーティングのバイブルとして、活用しています。
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