・新規事業の担当になった
・はじめてなので、右も左もわからない
・新規事業にとって大事なポイントを知りたい
このような悩みはありませんか?
【この記事の内容】
新規事業開発の鉄則6箇条
私自身、新規事業の担当としてたくさんの失敗をしてきました。
その都度、書籍を読んだり、知見のある型とディスカッションをしたり、知識を拡充してきました。
そこで、蓄積した経験・知識から、新規事業開発の鉄則6箇条を整理しました。
新規事業開発の鉄則6箇条
そもそも新規事業とは?
新規事業とは、市場と製品どちらかが、既存の領域ではないところを指します。
新規事業と聞くと、製品も新しく、市場も新しいイメージをもたれるかもしれませんが、必ずしもその領域だけが新規事業ではありません。
「既存の顧客に、新しい製品・サービスを販売する」
「既存の製品サービスを、新しい市場で販売する」
上記も新規事業だと言えます。
自分の会社で新規事業開発を担当したとき。
「新規事業」の定義が人によってバラバラで、会話がかみ合わないことが多々ありました。
自社では、どの領域を新規事業と言うのか?
定義づけと共通認識を持つことが、まず大切です。
新規事業の必要性
新規事業は、「危機」と「機会」の視点から大切です。
ビジネスには、フェーズがあり成長期、拡大期を経ると、停滞・衰退のステージに入ります。
とくに長年続く大企業は、事業が停滞衰退のステージに入っていることが多く、売上利益の数字にも表れ、存続の「危機」に陥ります。
一方、現在は多様化の世の中。
テクノロジーも発展して、ビジネスの「機会」が多く存在しております。
特に大企業で新規事業が大事だと言われる理由がここにあります。
ビジネスを続けていくには、「新規事業」の考え方は必須になります。
新規事業成功のための6箇条
新規事業を担当することになり、数10冊以上の本を読みました。
新規事業を支援する会社、実際に新規事業を成功させた人とも複数ディスカッションを重ねました。
そして、自分が起点となり自社で新規事業を担当し数多くの失敗、ほんの少しの成功の体験を積み重ねました。
前提として、新規事業は失敗するものです。
数多く失敗して、そのなかで学びを得るサイクルを回すことが一番大事です。
その中でも、成功のために、絶対に必須だというポイントが見えてきました。
【新規事業成功のための6箇条】
①明確なゴールを設計する
②マネジメント層のコミットメント
③組織にあったプロセス
④第三者が見ても明確な判断基準
⑤伴走してくれるパートナー
⑥参加者のパッション
①明確なゴールを設計する
新規事業開発という、全貌が見えにくいテーマだからこそ、最終のゴールを明確に定めることが大切です。
なぜならば、ゴールがないとそこにそこに至る工程が徒労に終わってしまうからです。
・アイデアを沢山出しても
・ビジネスプランを磨き込んでも
・試作をつくっても
最終的に「どこで事業化するのか?」が決まらないと、空中分解します
出口として定めておくべきことは
「責任の所在」と「受け皿」です。
・誰が責任を持って、事業化判断をおこない、事業を推進していく受け皿はどうするのか?
・アイデアの主体者の所属はどうするのか?
・人事制度や評価はどうするのか?
を設定する必要があります。
出口が具体的であればあるほど、当然ながら事業化の成功確率があがります。
②マネジメント層のコミットメント
新規事業はマネジメント層のコミットメントは必須です。
投資や人事、組織を動かす必要があるからです。
アイデアのところは、ボトムアップでやる必要があると思います。
しかし、全体の仕組みのところはマネジメント層の協力が不可欠です
トップから巻き込んでいく姿勢が必要です。
③組織に合ったプロセス
新規上開発のプロセスは大きく「公募型」と「PJ型」にわけることが出来ます。
それぞれメリットデメリットがあるので、自社の状況に合わせて選択することが大事です。
公募のメリット
・続けることで、アイデアを全員で考えていくという風土につながる
・多くのアイデアから選ぶことができる
・自分ごと感
公募のデメリット
・どのようなアイデアが集まるかが読めない
・設計/運営と手間がかかる
PJ型のメリット
・選抜して行うので効率的
・目的が明確
PJ型のデメリット
・選抜メンバーに経験が集中
・トップダウンだと、なかなか自分ごとに出来ない可能性
組織全体の風土、人材育成の視点であれば「公募型」
なんとしても事業化の視点であれば「PJ型」
がそれぞれ適切であると考えます。
公募型のプロセスを例に考えてみたいです。
【公募型のプロセス】
①アイデアを集める
②アイデアを磨く
③ビジネスの検証
④事業化準備
というステップで進むことが基本です。
・事業化をどこが受け持つのか?
・アイデアの主体者の人事配置をどうするのか
・書く項目の、進行/撤退の基準はどう設定するのか
前述の出口戦略をしっかりと見据えた上での進行が大事です。
目的や自社の状況に合わせて、プロセスを選びます。
④第三者が見ても明確な判断基準
事業化にむけて進行するのか否か、判断基準が必要です。
判断基準がしっかりと設定されていて、周知されているかが、納得感を生み、成功確率も高めます。
実は、ここが曖昧な失敗事例は多いです。
経験があるのですが、プログラムに参加してアイデアが良い物の事業化判断はおりず、またフィードバックもない。
審査する人(マネジメント層の場合が多い)の好き嫌いで選んでいるのではないかと感じ、モチベーションがさがりました。
それをさけるためにも、第三者が見ても納得感のある基準が必要です。
「ステージゲート」ともよびます。
【ステージゲートの例】
第一ステージ:アイデア(顧客の課題が明確か?)
第二ステージ:仮説立案(ビジネスモデルが描けているか?)
第三ステージ:仮説検証(仮説がしっかり検証されているか?)
第四ステージ:事業化準備(最初の売りがたっているか?)
第三者が見ても明確であり、好き嫌いではない判断軸が必要です。
⑤伴走してくれるパートナー
最終的には、どの企業においても新規事業創出の仕組みが自走している状態が理想です。
しかし、はじめから全てを自走することは難しいです。
既存を主戦場として、伸張させてきた過去から現在の思考と行動はすぐには変えることができません。
また新領域だけにフォーカスすることもできませんよね。
・アイデアを出す
・アイデアを磨く
・ビジネスの検証
・事業化準備
全てのフェーズで伴走してくれる、パートナーが存在します。
社外のパートナーとも協働する視点をもつことが、後の自社仕組みかにとっても大事です。
⑥参加者のパッション
最後に、一番大事かもしれない要素が
参加者のパッション(熱量)です。
参加者とは、社員のことです。
いくら、明解な出口戦略があっても、素晴らしいプロセスを設計しても、アイデアを出す主体者の熱量がなければ、事業化はできません。
新規事業のプログラムは、もとからパッションがある人を見つけ出すという効果もありますが、潜在的なパッションを引き出すという役割もあります。
実際に、プログラムを始める前のセミナーやワークショップで、パッションを引き出す仕組みを組み込んでいるケースも多いです。
パッションを見つけて、引き出して、育てる
ことが大事です。
参考書籍
新規事業に関する本は多数あります。
10冊以上読んだうえで、特に参考になるものを2冊に絞りました。
下記紹介します。
『新規事業の実践論』
著者はリクルート出身で自身も新規事業を複数運営しながら、新規事業の支援会社を運営しています。
経験に基づき、新規事業創出のための要素が書かれていています。
最も考慮すべき要素は2つ
「仮説」と「顧客」
仮説をぶつけて、修正する
そのサイクルを300回行うことが必要だと言います。
そのためには、はじめの時期にやっていけないNG行為があります
①前提整理&上司に確認
②社内他部署の事例収集
③競合の事例調査・海外事例調査
④市場調査という名のアンケート/浅いインタビュー
⑤社内会議でのディスカッション
⑥先輩上司のアドバイス
⑦⑥を踏まえた社内会議準備
⑧事業計画事業工程
⑨プレゼン資料
ともすれば、⑨つのNG行為は仕事そのものになっています。
それゆえ非常に刺激的かつ、新規事業を行う上での指針にもなってます。
『イノベーションの再現性を高める 新規事業開発マネジメント』
新規事業の型が体系的にまとまっています。
アイデア出しから、事業化準備、事業拡大まで、どのようなステップで行い、留意すべき点など新規事業を推進するための教科書になり得る本です。
まとめ
新規事業開発に多くの失敗はつきものです。
その失敗を学びに変える姿勢が大事です。
なので企業内での新規事業開発は、アイデアももちろん大事ですが失敗を許容する文化も同じぐらい大事です。
今回ご紹介した6つのポイントは、そんな試して、学ぶための仕組みをつくるためのポイントでもあります。
①明確なゴールを設計する
②マネジメント層のコミットメント
③組織にあったプロセス
④第三者が見ても明確な判断基準
⑤伴走してくれるパートナー
⑥参加者のパッション
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