こんにちは、みなもとです。
私の趣味は読書です。
ジャンル問わず、年間300冊くらいは読んでいるのですが
・村上春樹の小説を読んでみたいけどオススメが知りたい
・村上春樹作品のどこか良いのかが知りたい
・まずはどの作品から読めば良いのか?
と、定期的に村上春樹についての質問をされます。
【この記事の内容】
・村上春樹のおすすめ作品5選
・村上春樹作品の効力
・パターン別はじめの一冊
私が初めて村上春樹作品を読んだのは高校一年生の時。
そこから約20年間ずっと読んでいます。
村上春樹は本格的に読書好きになったきっかけの作者です。
その小説は、ただ面白いだけではありません。
自分は300冊ほど毎年本を読んできますが、小説に関しては、基本新しい本を読みたくて「再読」をほとんどしません。
しかし、村上春樹は何度も再読を繰り返しています。
ストーリーを知っていても、何度も読みたくなる不思議な力があります。
その不思議な力は何なのか?にも個人的見解を書いていきたいと思います。
では早速、村上春樹作品のおすすめを紹介します。
村上春樹のおすすめ作品5選
世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
私がはじめに読んだ村上春樹の小説です。
とくに印象的だったことは、「日常の生活」が丁寧に描かれていることです。
小説の世界なので、不思議な出来事も起きますが、それよりも、「あたりまえの生活」の美しさと格好良さに衝撃を受けました。
最近また読み返したのですが、ラストの描写の受け止め方が、学生だった初読時とは大分変ってきたことに気が付きました。
風の歌を聴け
村上春樹のデビュー作です。
村上春樹はヤクルトスワローズの試合を見ているときに、小説を書こうと思いつき仕事(当時は自分のお店を持って、バーテンダーをしていた)が終わった深夜に、ダイニングテーブルで小説を書いていました。
こんなに文章って心地よいんだと思えます。
そして、ビールが無性に飲みたくなります笑
蛍・納屋を焼く・その他短編
短編集です。
その後の長編小説にも続く物語が随所にちりばめられています。
村上作品の良さを凝縮したような短編集で、ひとつの話が読みやすいサイズにまとまっています。
ちょっと時間があいたとき、細切れの移動時間が多いときに、よく読んでいます。
いきなり長編だとハードルが高く感じるときにおすすめです。
ダンス・ダンス・ダンス
「風の歌を聞け」
「1970年のピンボール」
「羊をめぐる冒険」
そして「ダンス・ダンス・ダンス」
はひとつの流れとして読むことが出来ます。
※もちろん、それぞれ単体でも十分に面白いです。
村上春樹作品の主人公は、うまく「あきらめ」ます。
何かを失ったり、理不尽なことがおこったり、面倒なことに巻き込まれたり
どんなときでも、「やれやれ」と良い具合に脱力し、執着しません。
多くの物語の主人公は、強い意志やこだわりを軸に、自らの力で物語を創っていきます。
しかし、村上作品の多くの主人公は、流れに身を任せ、ただ目の前のことを丁寧にこなしていきます。
その、「こだわらない姿」が個人的にはすごくかっこいいと思いました。
職業としての小説家
エッセイです。
村上春樹ご自身がどのように小説を書いているのか?を解説してくれています。
この本を読んで感じることは、「ルーティーン」の大切さ。
村上春樹さんは
朝4時ころに起きて、コーヒーを煎れます。
そしてPCの前に座り、文章を書きます。
気分が乗っていても、乗っていなくても、毎日同じ量の文章を書くと言います。
午後は、あまり仕事をせず、ランニングをして汗を流す。
というルーティンを送っています。
創作とルーティーンは、深い関係性があります。
よく村上春樹さんは、「創作をするときには、自分自身の地下に潜る」という表現をしています。
潜る行為に、ルーティーンは必要で、長く作家として生活するために大切なことだと感じました。
村上春樹作品の効力
「心の疲れに効く」
ストレスや不安、プレッシャーなど、心に負荷がかかっているときは、なかなか文章を集中して読めません。
しかし村上春樹の作品は、心が疲れているときに、心地よく読めます。
そして、心を少し楽にしてくれます。
かといって、ヒーリング的な内容が書かれていたり、やさしい言葉が並んでいる、という意味ではありません。
逆に内容自体は結構複雑だったりします笑
ポイントは「文章」です。
文字のリズムが心地よく、その文章をずっと読んでいたくなります。
小説には「絵画的な小説」と「音楽的な小説」がある、自分が書く文章は間違いなく音楽的だ
という村上春樹のインタビュー記事を読みました。
小説家になる前はジャズ喫茶を自ら開くほど、音楽が好きです。
音楽的な文体が、心地よさをつくっていると思います。
普段の生活を大切にしようと思える
料理、食事、お酒を飲むこと、掃除、アイロンがけ。
村上春樹の作品は、日常の描写が細かく出て来ます。
そして、どんなに不思議なことや理不尽なコトがおきても、たんたんと丁寧に日常の生活をおくります。
「自分にできることだけを、着実にやっていけば良い」
というメッセージを感じます。
そして、そのメッセージはとても安心します。
食欲がでる
村上春樹の作品でとくに印象的なのは、料理と食事のシーンです。
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドではとくに、際立っている印象があります。
仕事の合間に食べる、「サンドイッチとコーヒー」がとても美味しそうです。
ドーナツ、パスタ、トースト、ビール
日常の食べ物が、とても魅力的に、美味しそうに出て来るので、自然と食欲が沸いてきます。
パターン別 はじめの1冊
はじめから、どっぷりと村上春樹の世界に浸りたい場合は長編小説をおすすめします。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」
長編を読む前に、
まずは自分に合うか試してみたい方は短編小説をおすすめします
「蛍・納屋を焼く・その他短編集」
そもそも、村上春樹ってどんな人なの?と気になる方はエッセイがおすすめです
「職業としての小説家」
まとめ
早いこと、効率的なこと、役に立つことが求められがちな昨今。
読書についても、「役に立つ読書」に関連する書籍も多く出版されている印象です。
そのように、「効率的に」読書をすることも時には必要かもしれません。
しかし、読書の本質は「楽しさ」にあると思います。
村上春樹作品は読むたびに、
「本を読むことは楽しいな」と素直に感じるコトが出来ます。
日々生活をしているだけで、何かと疲れるますよね。
とくに心が疲れたときは、村上春樹を通して純粋に楽しい読書をしてみてはいかがでしょうか。
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